サクセスストーリー
留学後のキャリア事例
さまざまな目的を持つ多くの看護師さんにご参加いただく看護インターンシップ・プログラムですが、留学するうえで、不安になるのが帰国後の「キャリア」ではないでしょうか。仕事を辞め、今まで築き上げてきた職場での人間関係などをいったんリセットするとなると、見えない未来が不安になるのは当然のことです。
人手不足が謳われる看護師と言えど、長期で留学した場合のブランク(離職期間)は、就労意欲や能力などに対して採用担当に懸念を抱かせます。しかし、看護助手とはいうものの海外の医療や看護の現場で働くことのできる看護インターンシップ・プログラムの場合、留学での経験が帰国後の進路・キャリアに活きることが多々あります。今回はプログラム参加後、さまざまな分野で活躍する人々の姿をご紹介しましょう。
サクセスストーリー #01
海外で看護師資格取得

オーストラリアで正看護師資格を取得するためには一定の英語力と学位(オーストラリアの看護協会が認める単位数を満たした看護学位)が必要です。日本での最終学歴が専門・短大卒の方の場合、現地で大学へ編入して頂く必要があり、時間を要することはもちろんですが、大きな費用がかかります。
看護インターンに参加し、アシスタントナースで大学の学費とその後の生活費を工面しながら、正看護師資格を取得したMizukiさんの看護インターンサクセスストーリーをご紹介します。

まず、看護インターンシップ・プログラムに組まれている語学研修カリキュラムを受講。少しずつ英語力を伸ばすものの、同じプログラムに参加している方達と比べると自分の英語力はまだ足りないと感じ、英語力を伸ばすためにファームへ。ファームでの仕事終了後シドニーに戻る。アシスタントナースとして働くための英語力有無を判定する英語テストを1回で合格し、インターン開始。

オーストラリアのNICUで働きたいという思いを持ち始めたことから正看護師資格取得を目指すことを決意。大学編入に伴い必要な英語力の証明(英語試験IELTSの結果)を取得するため、ひたすら英語の勉強をし続ける。フィリピン留学も挿み、なんとか規定の英語力IELTS6.0を取得、その後、進学英語コースを介してフリンダース大学へ無事に編入。

大学編入後、エッセイを書くことに苦労し、周囲よりも低いスコアを取得してしまう。本気で「まずい」と思い、高得点を取得している友人や学生サポートセンターでコツなどを聞いて、とにかく勉強。気がつくとクラストップの成績を取得。厳しかった先生からも褒められるまでに成長する。

オーストラリアで正看護師になるために必要な英語スコアを取得するために勉強。友人たちの助けもあり、無事にPTEで規定スコアを取得。看護師資格認定協会にて師登録手続きを行い、オーストラリアの正看護師に!!

就職希望の病院の勉強会に積極的に参加するなど、コネ作りを意識しながら就職活動。結果、働きたいと思っていた病院から内定の話が!!その後、就職に向けて準備、無事希望していたNICUの分野で就職が決定!
このストーリーのポイントは?
「英語力底辺からでも海外正看護師資格取得はできる」
Mizukiさんは、オーストラリア到着時にホストファミリーとのコミュニケーションやカフェでの注文もままならず、「英語、こわい‥」と思ってしまう状況でした。一度決めたら諦めない性格ということもあり、英語力初級から目標に向かってひたすら勉強し続け、大学編入レベルの英語力、正看護師資格取得に必要の英語力を身につけることができました。
「行動力とコネクションが大切」
働きたい病院で公募している勉強会に参加し、ネットワークを広げた瑞希さん。結果、NICUに空きが出ること、またNICUのユニットマネージャーの連絡先を教えてもらうことができ、履歴書提出に至りました。そして、モチベーションの高さと思いを強さをかっていただき、求人を作ってもらうことに成功しました。
サクセスストーリー #02
永住権を目指し新たな資格に挑戦

看護インターンシップ・プログラムを通じ、オーストラリアでの生活を楽しむなかで、その居心地の良さに魅了され、永住や移住に挑戦される方もいらっしゃいます。そのなかにはチャイルドケア(保育士)やソーシャルワーカー(社会福祉士)など、看護師資格以外の道に挑戦される方もいらっしゃいます。ここでは、チャイルドケアの資格取得に向けて挑戦されているDaikiさんのストーリーをご紹介します。

看護師になる以前から興味のあった海外生活。資格と経験を活かせることから、留学がブランクにならないという点を魅力に感じ看護インターンシップへの参加を決意。コロナの影響を受け、渡航が延期になる.. というハプニングも乗り越え、渡豪。コロナ明け直後というイレギュラーな境遇も楽しみつつ、留学がスタート。

待ちに待った海外生活だったこともあり、最低2年間は滞在したいと考えていたDaikiさん。オーストラリアのセカンドワーキングホリデー制度を利用すべく、Certificate取得後はファームに移動。慣れない農作業に苦戦しながらも約4ヶ月間のファーム生活を乗り越えセカンドワーホリビザを取得。

アシスタントナースとして働きつつ、休みの日にはオーストラリアでののんびりとした生活や旅行を満喫。そののんびりとした日々に居心地の良さに魅了され、「永住権取得」という新たな目標を見出す。看護師資格も検討するものの時間的・費用的にも負担が大きく、異なる道を模索。アシスタントナースで稼いだお金で学費を賄えるという点が後押しになり、チャイルドケア(保育士)という道を見つける。
*チャイルドケア留学情報はこちらから →
シドニーにキャンパスを構える専門学校KCA Educationにて、Diploma(専門士)資格取得に向けて勉強を開始。幼児教育に関する法律や多種多様なバックグラウンドを持つ子供達への接し方、子供の安全性についてなど、保育士として必須の知識をさまざまな国の留学生たちと学ぶ。2年後、無事資格が取得できれば、その後は就職、永住を目指す予定。
このストーリーのポイントは?
「稼いだお金で学費を賄えた点が後押しに」
留学の目的は「稼ぐ」ことではありません。実践的に医療英語を学んだり、多文化社会で働くことで、異文化理解力を身につけたり、留学後、皆さんが看護師として、人として成長することこそ当プログラムの大きな目的です。しかし、収入を得られることで、その後の選択肢を広く持てることは当プログラムの魅力の一つです。Daikiさんは、アシスタントナースとして得た収入を持って、日々の生活や旅行に加え、オーストラリアでの永住権に挑戦するという留学前には持てなかった新たな目標に辿り着くことができました。
サクセスストーリー #03
国際協力活動に参加

看護インターンシップ・プログラムに参加される方のなかには将来的に、JICAやMSF(国境なき医師団)、そのほか国際協力活動への挑戦を考えている方も少なくありません。3つ目は、プログラムを通じて得た英語力や海外での就労経験を活かしケニアでの医療支援活動に参加されたShotaさんのストーリーをご紹介します。

もともと興味のあった災害看護に挑戦すべく、日本での資格と臨床経験に加え、英語力と海外での就労経験、これらを得るべく臨床3年目の終わりに看護インターンに挑戦を決意。参加を決めてからは必死に貯金!アシスタントナースとして働き出すまでは極貧生活を送りつつ、目標に向けて動き出す。

英語研修後、オーストラリアでアシスタントナースとして働く際に必要な資格取得コース「Certificate」を受講。座学では日本とオーストラリアの看護制度の違いに感心しつつ、実習では働きやすさに驚く。その後、セカンドワーキングホリデービザ取得のため、ファームへ移動。ファーム終了後はシドニーに戻り、アシスタントナースとして就労開始。積極的に働き、得た収入をもとに日々の生活や旅行を楽しむ。シェアハウスではさまざまな国の人々と生活し、異文化理解力を身につける。

アシスタントナースとして7-8ヶ月働き、その後、オーストラリア国内や東南アジアを旅行。そして、その後1ヶ月間ケニアでの医療支援活動(ボランティア)に参加。
アフリカでのボランティア支援を行うNGO団体を通じてケニアのボランティア団体とコンタクトを取り支援が必要な病院へ。病院で看護師がストライキを起こす..というハプニングに見舞われるも、それらトラブルを乗り越え、マラリアに感染した患者を診る科を中心に、他の科(産科など)、いくつかの科で支援活動を行う。オーストラリアの多国籍な人々との生活や就労経験があったからこそ、英語でのコミュニケーションも円滑に進めることができる。

帰国後は3ヶ月ほど応援ナースとして働き、その後大学病院で就職。外国人患者さんの担当になる機会を得るなど、引き続き留学経験を活かし、活躍中。
このストーリーのポイントは?
看護インターンシップ・プログラムの経験を踏まえ、国際協力活動の分野で活躍している方は少なくありません。Shotaさんのように短期的なボランティア活動に参加されている方もいれば、国境なき医師団に長期的に参加している方もいらっしゃいます。
オーストラリアは世界200カ国もの人々が共存すると言われる多文化社会で、生活習慣や文化、価値観、考え方など異なる人々が共存しています。そういった人々と共に学び、働き、生活することで国際社会でも通用する実用的な英語力と異文化理解力、そして看護経験を積むことができます。留学を経て培ったこれらの知識や経験が国際協力活動の現場はもちろん、日々の業務の中でも役立つ力となるようです。
サクセスストーリー #04
資格×英語力で新たなキャリアに挑戦

英語力が身に付くことで、看護師以外にもさまざまなキャリアへの選択肢が生まれます。実際、看護インターンシップに参加した看護師の方でも、身に付けた英語力を活かし、航空業界でグランドスタッフやキャビンアテンダントになったり、インターナショナルスクールで養護教員になったりされた方が多数いらっしゃいます。他にも、外資系企業での産業看護師や大学の職員や教員、医療通訳などさまざまです。 新たなキャリアに踏み出す方は留学前、また留学中どのようなことに挑戦されているのでしょうか?
留学後に挑戦してみたい仕事や転職したい会社が決まっていれば、入社条件(英語力やその他資格、経験など)を確認。条件を確認したら、渡航前・渡航中・帰国後、それぞれのタイミングで何をいつまでに満たすべきかプランニング。 看護師以外に挑戦してみたいが、まだ漠然としている.. という方は、転職サイトなどに登録して情報収集から始めるのもいいでしょう。
求められる英語力や、資格、経験などの取得にどのくらいの時間やお金がかかるのか次第で渡航期間や留学中のスケジュールを決定。1年プランの場合、Certificate修了後、インターン開始、働きながら資格取得や英語の勉強に勤しむ。2年プランの場合、Certificate修了後、ファームへ。セカンドワーホリビザの条件を満たしてからやりたいことにチャレンジしていく。
オーストラリアでは、さまざまなことに挑戦が可能。
例えば、バリスタやヨガ、ネイル、ダイビング、サーフィンなどを体験したり、資格を取得したり、他にも英語教授法の資格取得や英語試験(IELTSやTOEFLなど)対策、ビジネス英語習得に取り組むこともできる。必要であれば、プログラム終了後、より専門的な勉強をすべく、専門学校や大学・大学院に進学するのも一つの方法。
事前にリサーチした転職先起業・業界で求められる資格や経験、知識やスキルを身につけよう。
早い方は帰国3ヶ月前くらいを目処にあらためて転職サイトなどで情報収集を開始。最近であれば、オンライン面談などを介して転職活動を行い、帰国後は比較的スムーズに転職している方が多い。
このストーリーのポイントは?
海外に出ると視野が広がる!という言葉を耳にしたことがあるかと思います。一般的なワーキングホリデーで渡航し、日本食レストランの日本人ばかりの環境でアルバイト生活しつつ1年が終わった…という方の場合、「視野を広げる」というのはなかなか難しいかもしれません。しかし、看護インターンシップであれば、ネイティブ環境で働き、海外の就労に対する価値観に触れ、看護師としての働き方にも、広がりを持てる方が多いようです。
プログラム参加を通じて医療や看護の現場でも使える英語力を身に付けることができることはもちろん、看護助手なのにも関わらず、日本の正看護師並み(もしくはそれ以上)のお給料をもらいながら、派遣で比較的自由に生活することでるのも、それまでの人生観や働くことに対する価値観を変える大きな理由のようですね。
「看護×英語」の職場・仕事例
・医療通訳・ツアーナース
・イベントナース
・治験コーディネーター
・国際医療搬送
・コーディネーティングナース
・海外の日本人学校内医務室
・アジア、東南アジアの日本人クリニック
・美容クリニック
・EPA外国人看護師受入病院
・外国人患者受け入れ医療機関
・厚生労働省 看護技官
・海外にある日本大使館内医務室
・外務省内医務室 など
- ・空港内クリニックの看護師や検疫官
- ・外資系医療コンサルでアナリスト/コンサルタント
- ・外資系企業で産業看護師
- ・インターナショナルスクールでの養護教諭
- ・大学スタッフ(日本赤十字看護大学など国際支援や協力に積極的な大学での留学生支援)
- ・製薬会社から委託される外部機関(CRO=Contract Research Organization)での臨床開発モニター
- ・船内看護師(シップナース)など
- 事例1. 2年間の留学生活を終え帰国。現在は、治験コーディネーターとして活躍!

お名前:梶 亜紀子さん
留学期間:2017年7月〜2019年7月
治験コーディネーターという職種を選んだ理由
土日休みの企業で働いてみたかったので、治験コーディネーターを選択しました。看護師資格は使わない異業種ですが、これまでの知識や経験を活かすことができるので、チャレンジしてみようと思いました。
実際に仕事で英語を使う機会はありますか?
あります。被験者や病院スタッフ(医師や看護師)と接する際は日本語ですが、データ入力が基本的に英語なため、英語は使用します。領域によってはグローバル試験*も多く、読み書きは英語を比較的使います。定期的に学会に参加(聴講)する機会があり、国籍問わず英語で発表されていることが多くので、よく英語には触れています。
*グローバル試験:新薬の世界規模での開発・承認を目指して企画される治験であって、一つの治験に複数の国又は地域の医療機関が参加し、共通の治験実施計画書に基づき、同時並行的に進行する国際共同治験。複数の国で一緒に同じ治験を行なって、新薬開発・承認を目指すもの。留学で身につけた英語力や経験は今の仕事にどう繋がっていますか?
留学で英語に触れてきたので英語を使う業務に抵抗がありません。留学経験のない他のスタッフは苦手意識を持っている人が多いので、抵抗感なく聞けたり話せると留学しててよかったなと思います。
- 事例2. 2年半のオーストラリア留学を経験後、現在は一般企業で営業職として活躍!

お名前:渡部 大介さん
留学期間:2019年4月〜2021年10月
現在はどのような仕事をしていますか?
主にエンジニアやデザイナーなどのフリーランスで活動されている方への仕事の紹介と、優秀な人材をお探しの企業様を繋ぐエージェントとして人材業界で両面営業をしています。
勤務先:株式会社Hajimari(ITプロパートナーズ)
何故、その仕事を選びましたか?
当時20代後半の年齢で、将来的に自分でも何かビジネスをしてみたい、社会から求められるサービスを何かしていきたいと漠然と思っていました。また看護師としてだけではなく、ビジネスにおいてもグローバルに活躍できる人としてのキャリアも見ていたのが当時の状況でした。その後、縁があり上場しているベンチャー企業に飛び込み、営業兼コンサル職で経験を積み、現在は株式会社Hajimariでチームリーダーとして日々奮闘してます。
『自立した人材を増やし、人生の幸福度を高める』というVisionに惹かれ、自分の選んできた道を正解にするために入社を決意。ユーザーやクライアントと精神誠意向き合っている仲間と、一緒に仕事をする人を大切にしている会社の文化が自分の大事にしていた価値観とマッチしていました。 また看護師として生と死という場面に多く出会ってきたからこそ、その経験を活かして多くの自立した人材を増やすことに貢献したいと思いました。
実際に仕事で英語を使う機会はありますか?
ほとんどないというのが正直なところになります。ただ先日クライアントと候補者さんのミーティングにおいて、先方のエンジニアの方が外国籍の方だったので英語でミーティングをファシリテーションすることはありました。
留学で身につけた英語力や経験は今の仕事にどう繋がっていますか?
留学でのチャレンジ精神や、まずはやってみて学ぶという姿勢・マインドについては何事においても初速を上げることに繋がっており、すぐに成果を上げ自信にもなっています。
転職活動の時に留学経験や英語力はプラスの武器となりましたか?
外資系や英語力を使う先に転職したわけではないのですが、TOEIC300点台で全く英語が話せなかったところから900点台まで伸ばして、カフェや医療の現場で問題なく働けるぐらいまで努力しました!という結果は強みになったと思います。