助産師必見!オーストラリアの助産師資格取得留学

更新日:2023年5月30日

オーストラリア助産師資格取得留学とは

オーストラリアの正看護師資格取得者が増える中、日本で助産師資格まで保有する看護師の方からオーストラリアで助産師資格に挑戦したいという方が増えています。オーストラリアで助産師とは「Midwife(ミッドワイフ)」と呼ばれ、正看護師資格に加えて取得する資格または、正看護師資格を取らず、助産師資格のみを取得する方法があり、日本と制度が異なります。またオーストラリアでは正看護師資格同様に、助産師資格も国家試験はなくオーストラリアの看護師・助産師認定協会が審査する教育課程を卒業し、協会の認定基準を満たすことによってオーストラリア全土で認定されている助産師資格を取得することができます。オーストラリア助産師資格取得留学は、オーストラリア正看護師に加えて助産師資格を目指す、またはオーストラリア助産師資格のみを目指す留学を指します。

オーストラリア助産師の給与やお仕事は?


オーストラリアの助産師は正看護師とほぼ同等の給与制度が適用されています。オーストラリアの助産師は1年目〜8年目(8年目以上は同じ)ごとに最低給与額が州によって定められており、各病院で州が定める最低給与額以上を独自に定めて給料が設定されています。オーストラリアでは日本のような賞与が無いため、年収金額がそのまま給与となります。オーストラリアの最低給与は毎年7月に改定されます。

オーストラリアの助産師の最低給与金額 (2021年参考データ)

年次 年収
(オーストラリアドル)
年収
(日本円 91円で計算)
1年目 $65,468.0 約595万円
2年目 $69,019.6 約628万円
3年目 $72,586.8 約660万円
4年目 $76,403.6 約695万円
5年目 $80,199.6 約729万円
6年目 $83,969.6 約764万円
7年目 $88,290.8 約803万円
8年目以上 $91,920.4 約836万円

オーストラリアの助産師は、有給休暇(年間最低20日)や疾病休暇(年間10日間)が付与され、有給休暇の申請は日本と異なりほぼ通ります。ハードワークである助産師とプライベートを両立しながら働くことができます。

フルタイム勤務(正社員)のほか、カジュアルプール登録(フルタイムスタッフが疾病休暇などで欠員が出た場合にオンコールで仕事をするスタッフ)もあり、育児などで忙しくフルタイムで働けない場合も空いた時間に助産師として勤務する方法もあります。(2021年時点)
病院のBirth Unitやクリニックが主な勤務先になります。オーストラリアでは世界中から多数の移民を受け入れている国の1つであるため、各文化によって妊産婦が好む出産方法が異なります。病院では代表的ないくつかの出産方法に必要な施設を備えています。また、自宅での自然分娩も行われており、助産師が随時モニタリングに自宅まで訪れるサービスを提供しているクリニックも多数あります。

日本で助産師資格を保有している人が
オーストラリアの助産師資格を目指す方法


日本では正看護師資格取得後に助産専門学校や大学・大学院で助産を学ぶほか、助産学が学べる大学のコース終了で助産師国家試験の受験資格を付与されます。せっかく日本で取得した助産師資格を利用してオーストラリアの助産師登録をすることは可能なのでしょうか。日本の助産師資格を保有されている方がオーストラリアで助産師資格を取得する方法についてご紹介します。


オーストラリアで正看護師資格を取得方法と同様、outcomes-based assessment(以下、OBA)という方法で申請を行います。規定の英語スコアを取得後、看護師認定協会への書類申請を行うことで、OBAで資格取得可能か否かを協会に判断してもらいます。OBAで申請可能と判断されれば、知識アセスメント、技術アセスメント、オリエンテーションプログラムを経て、看護師登録と行う流れとなります。

オーストラリアで助産師資格申請をする方法(2022年5月時点の基準

語学学校
(オーストラリア)
必要IELTSスコア
初級から入学可能
12ヶ月~24ヶ月
オンライン上でオーストラリア看護師認定協会に書類申請
MCQ exam(知識アセスメント)の受験・合格
(オーストラリア国内及び国外にあるAspeqテストセンターにて受験可能)
オーストラリア・アデレードにある指定施設にて実施される
技術アセスメントを受ける
オーストラリア看護師認定協会より提供される
オリエンテーションプログラムに参加
オーストラリア 助産師資格取得

オーストラリアの正看護師同様、資格取得後の永住権取得を考慮して、留学生(International Student)としてオーストラリアの大学や大学院へ進学して助産師資格を取得する方法や先にオーストラリアの正看護師資格と永住権を取得した後に現地学生(Domestic Student)として大学・大学院に進学する方法を選ばれる方もいらっしゃいます。

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オーストラリアで助産学を学ぶ
オーストラリア助産師留学とは?


オーストラリアで助産師を取得するためには、助産学を学べる大学または大学院のコースを履修する必要があります。日本で正看護師資格や助産師資格を保有している場合で卒業してからの期間が短い(最大10年以内)の場合は、大学や大学院で単位認定を受けることができるため、大学に通う期間を短縮できる可能性があります。※各大学によって学位認定の基準は異なる。
オーストラリア助産師留学には、オーストラリアの正看護師資格を取得してから助産師を目指すパターンと、オーストラリアの正看護師資格を取らず、助産師を目指すパターンがあります。

1 オーストラリアの正看護師資格を取得してから助産師資格を取得する

先にオーストラリア看護留学 でオーストラリアの正看護師資格を取得してから、助産師を目指すことが可能です。メリットとしては、オーストラリアの正看護師として永住ビザを目指せること、先に正看護師として働きながら助産師を目指せるため、オーストラリアでの生活を安定させられることがあります。またオーストラリアでも正看護師資格保有者のみが入学できる短いコース(通常海外留学生は入学できないが、永住権者は入学できる)へ入学できます。

例:

シドニー工科大学 
Graduate Diploma in Midwifery

期間 1.17年
科目 助産師実習・複雑な症例での助産、周産期のメンタルヘルス、公共衛生戦略としての助産師など
入学基準 オーストラリア国籍・永住権 オーストラリア正看護師資格

西シドニー大学 
Graduate Diploma in Midwifery

期間 1.25年
科目 助産師実習・助産実習における生理学・専門家としての助産師・オーストラリアの文化における出産
入学基準 オーストラリア国籍・永住権 オーストラリア正看護師資格

2 オーストラリアの助産師資格を直接目指す留学

オーストラリア国内の大学で助産師のコースは永住権者・国籍を保有する現地の学生向けにしか開講していない大学が多いため、留学生でも入学できる選択肢は多くありません。また、正看護師資格の方がオーストラリア国内でも汎用性が高いため、助産師資格のみを取る方は少ない傾向にありますが、フリンダース大学では日本人留学生でも入学できる助産師コースが開講されています。

フリンダース大学 
Bachelor of Midwifery (Preregistration)

期間 3年(単位認定で2年となる可能性有り)
入学基準 英語力 IELTS7.0相当
費用 $36,500(2022年度)

日本の助産師とオーストラリアの助産師の違い

日本とオーストラリアの助産師で大きく異なる点は、資格取得方法と給与の2点です。国家試験合格で資格取得する日本とは異なり、オーストラリアは国家試験がありません。また給与も1年目から高収入を得られるところが特徴です。各項目の詳細を見ていきましょう。

1 資格取得方法

日本で助産師資格を取得するためには、まず正看護師資格を取得する必要があります。正看護師資格を持っていることで助産学を学ぶコースへ入ることができ、国家試験を受験できます。一方オーストラリアでは、正看護師資格を保有していなくても助産師の資格を取得することが可能です。大学の助産学部を卒業して看護師・助産師認定協会に登録手続きをすることにより助産師として働くことができます。ただし、看護師と比べて助産師は就労場所が限られているため、せっかく資格を取得しても就労先が見つからない可能性もあります。そのため、まずは正看護師資格を取得して就職先の門戸を広げ、永住権を取得したのちに現地学生(Domestic Student)として助産学部で就学、資格取得をした方が就労しやすい可能性があります。

2給与

せっかく海外で資格を取得するならきちんと収入を得たい…という方が気になるのは給与ですよね。日本の助産師1年目~4年目の平均給与は約431万円*で、5年目~8年目の平均給与は約461万円*となっています。一方オーストラリアの助産師1年目~4年目の平均給与は約644万円で、5年目~8年目の平均給与は約783万円となっています。海外で資格を取得するには、大きなお金と時間がかかりますが、資格取得後に得られる収入や経験を考えると投資する価値のあるものと言えるでしょう。

*賞与含む
参照:厚生労働省 「令和3年賃金構造基本統計調査」

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