お名前 | 大友尚子さん | 留学期間 | 2022年2月〜現在 | ||
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滞在都市 | シドニー/オーストラリア | インターン先 | ナーシングホーム/訪問看護 |
1.あたため続けた留学への思い
日本の医療は遅れていると言われていたから、いつかは海外で看護を学びたいと思っていました。ただ、日本でもある程度臨床を積みたいという気持ちもあったので、3〜4年ほど積んだタイミングで留学することを考えて、臨床2年目のときから留学については調べていました。そんなときに同じ病院で働いている先輩から「看護留学というのがあるよ!」と教えてもらい、看護留学を調べていたところ、ワールドアベニューの海外看護有給インターンシッププログラムを見つけました。すぐに問い合わせをして話をしたのですが、その時に家族のことや部署異動のことなどで渡航時期を考え直した方が良いと思って、一旦留学の検討をやめることにしたんです。
異動した先の緩和ケア病棟で数年間臨床を積む中で、「そろそろ日本の臨床もきちんと積めたし、お金も貯まってきたし、元々チャレンジしてみたいと思っていた海外留学について改めて考えよう」と思うようになりました。臨床2年目のときから相談していたワールドアベニューに再度問い合わせをしました。ワーキングホリデーだと、遊びだと思われてしまう懸念もありましたし、実際に「せっかく頑張って仕事してきたのに、辞めて遊びに行くの?」とも言われました。海外の看護現場を見学したことのある先輩からも背中を押されて、看護留学することを決めました。
最初に問い合わせをしたのは2015年。出発は2020年。5年越しの留学を実現するために準備を進めていき、もうすぐ出発だと思っていた2020年3月にコロナで国境が閉まってしまい、留学することができなくなってしまいました。その瞬間はショックを受けましたが、ポジティブに捉えるしかないと思いました。むしろ、その時点で荷物の準備も何もしていなかったので、良かったのかもしれません。笑
逆に、帰国後のことをゆっくり考える時間にできたので、ある程度帰国後に何をしたいのかのイメージをつけた状態で留学することができたのは良かったです。
すぐに渡航ができない状態だったので、語学学校のオンライン英語コースを受講してから留学しました。正直、渡航前に勉強しておいてよかったなと、渡航をしてから思いました。むしろ、あんな英語力のまま留学しようと思っていた自分が怖いです。笑
2.日本の看護実習とは違う!アシスタントナース資格取得コース
私が渡航したときは、まだ少しコロナの影響が残っており、Certificate3 Courseの学科講義はすべてオンラインでした。課題が大変だったことは今でも覚えています…。テキストが多くて…。模範解答を共有してもらえるので、それを参考にしながら課題をこなしていました。これを乗り越えないと資格が取れないので必死でした。
実習は高齢者施設で行ったのですが、基本的には施設で働いているスタッフの後ろをついていって一緒に仕事をするという内容で、日本の看護実習と比べるとびっくりするくらい楽でした。笑 業務内容は、トイレ介助や部屋の環境整備などで、書類業務はほとんどなく、自分が今日行ったことや自信を持てるようになったこと、自分にとってポジティブな経験になったこと等を1〜2行書くことはありましたけど、全て実習の時間内で終わる範囲でした。
Certificate3 Courseが無事に終わり、アシスタントナースの資格が取れたら、スピーキングテストを受けました。無事に1回で合格!世間話から始まり、オーストラリアと日本の違いについて聞かれたり、リフター(移乗器具)が普及されない理由は何かなど意見を聞かれる質問もあったと思います。
3.とにかく働く!積極的に仕事を取りにいっています!
今は、週に3〜4回ナーシングホーム(高齢者施設)で働いていて、週3回はホームケア(訪問看護)もしています!土日は時給が上がるため人気となり、あまりシフトが取れないですが、平日は仕事があります。私が登録している派遣会社は、アプリでシフトを組むため、空いているところで自分が働きたいところに仕事を入れていきます。仕事が少ないときは、週1回のときもあったりしますが、ホームケアは基本的に週3回仕事があります。シフトがはいって日は、仕事がないか直接派遣会社に連絡をして仕事をもらうようにしています。自分から積極的に仕事をとることは、とても大事です。笑 休みたいなーと言っているフルタイムスタッフに直接交渉したりすることもあります。笑 何事も積極的に行動しないとですね。
週3回行っているホームケアは、2箇所行っていて、1回2時間の業務です。シャワー介助やベッドメイキング、食事作り、食事介助、キッチン掃除などを行います。
ホームケアは、基本的に1人で行くため、何かわからないことがあったり、利用者さんから要望があったときに、すぐに相談する人がいないことが少し大変だなと思います。理解がすれ違って利用者さんと上手くコミュニケーションが取れないときに、派遣会社に連絡をして、間に入って話をしてもらったこともあります。ホームケアでは、利用者さんだけでなく、ご家族との関係性もきちんと築いていかなくてはいけないです。私が行っているお家では、いつも利用者さんのお兄さんと一緒に食事を作っています。笑
ナーシングホーム(高齢者施設)のモーニングシフトは、とにかくひたすらにシャワー介助です。笑 それが終わったら、食事介助をします。アフタヌーンシフトは、車椅子に移乗されている方をベッドに戻して着替えの介助をしたり、食事介助、おむつ交換などを行います。ナイトシフトは、基本的にナースコール当番です。あとは、トイレに行きたい方の移乗やおむつ交換、ラウンドなどを行います。
給与は結構高めです。派遣会社にもよると思いますが、私が登録している会社は、モーニングシフトで$37、アフタヌーンが$41です。土日祝日は、$46~70くらいまで上がったります。だから、土日祝日シフトとりたいんですけどね。笑 ホームケアも同じくらいで、週末に働くと$41~42ほどもらえます。生活は問題なく、旅行をするためのお金を貯めています。
休憩のとり方も面白いなと思いました。オーストラリアでは、ティータイムというものが存在しているので、私達医療従事者もティータイムブレイクがあります。朝は9時頃に休憩があり、休憩室にパンが置いてあるので自由に食べることができます。13時頃にランチブレイク、16時頃にアフタヌーンティーブレイク、18時頃にも何故か食べ物が配布されます。笑 ずっと食べている気がしています。そのため、利用者さんの食事介助の回数も多いです。
4.急がなくていいよ!Slowly,Slowly!
日本との違いは色々とありますが、1番は「急がなくていいよ」とよく言われることです。例えば、ナースコールが鳴ると私は「急いでとらないと!」となるのですが、急いで立ち上がってナースコールを取りに行こうとすると、同僚から「Don’t hurry. Slowly,Slowly.」と言われました。「え、いいの?」となりました。笑 また、一時期人員不足で忙しすぎて廊下を走っていたら、「急がなくていいよ。人が少ないことはあなたのせいではないし、あなたが急ぐ必要はないから」と言われました。絶対に日本ではありえないことなので、びっくりしました。笑
また、スタッフが足りないときは、シャワー介助や移乗ができないときもあるので、それもはっきりと施設利用者さんに伝えます。施設利用者さんもいつものことなので、あまり気にしません。どうしても理解してもらえないときには、正看護師に依頼をして話をしてもらいます。
リフター(移乗器具)を使うところも日本と違うところです。慣れれば便利だと感じるけど、日本ではフィジカルでやってきているので、時々「フィジカルの方が楽かも」と思うときもあります。ただ、腰は痛くならないです。
定時で仕事を切り上げて帰れるところもオーストラリアの特徴ですね。たまに10分前に帰ったりしていますが、全く問題ありません。その10分もきちんとお給料が発生します。笑
5.マーケットや旅行を満喫!シェアハウスも多国籍!
プライベートも充実しています。毎週末、様々な場所で開催されているマーケットに足を運んでいます。食べ物やジュエリー、フレグランス、チョコレート、はちみつ、革製品など、様々な種類のお店があるので、毎週末が楽しみです!
また、ビーチサイドのエアビーアンドビーを借りて、友達と宿泊したり、ブリスベンに旅行したりと満喫しています。これからメルボルンとウルルへ旅行する予定です!
滞在先のシェアハウスには、アジア系の方はおらず、私以外は南米の方やヨーロッパの方なので、とても多国籍。バックグラウンドが異なるため、カルチャーショックを受けることもしんどい思いをすることもあるけれど、私は色々な国の人たちと一緒に住んだ方が良いと思っています。英語を使うし、わからなくてもみんなちゃんと聞こうとしてくれるので、英語力も少しずつ上がっていきます。日本人が一緒に住んでいると甘えてしまうかもなと思っています。
6.帰国後は元々携わっていた緩和ケアへ
まだ少し迷ってはいるのですが、帰国後は終末期まで看ている訪問看護か緩和ケア病棟などで働きたいなと思っています。それに伴って、緩和ケアの認定資格取得も視野に入れています。ただ、実は全く違う分野で働くことにも興味あるので、迷い中です。医療通訳にも興味があるので、留学で身につけた英語力を少しでも活かしたいなと考えています。
7.留学を考えている方へのメッセージ
迷うくらいなら行った方がいいです。合わなかったら帰ったらいい。
あと、実習だけだと海外の介護・看護現場のことはわからないので、働いてみた方が良い。それでもどうしても合わないなら、日本に帰ることもできます。
持ってくるお金はあるに越したことはないけど、こっちでも頑張れば稼げます。
あ、留学前に料理のスキルは身につけておいた方が良いかも!笑