お名前 | 梶 亜紀子さん | 留学期間 | 2017年7月から2019年7月 | ||
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滞在都市 | シドニー/オーストラリア | インターン先 | ナーシングホーム |
ずっとなりたかった「英語を話せる自分」になるため、働きなれた職場を退職して看護インターンシップにチャレンジをされた亜紀子さん。長いようで短かった2年間は、長年の夢を叶えてくれたかけがえのない経験になったようです。
1.小さい頃から憧れていた英語を話せる自分
2~5歳の時に父親の仕事の影響で香港に住んでいたことがありました。そこから英語への興味というのが始まったのだと思います。日本に帰国後も、両親が英会話教室に通わせてくれ、少しずつ話せるフレーズが増えたり、聞き取れることが増えたりしたものの、なんとなくしか話せるようになれなかったのが10代の頃です。
一度は冷めた英語熱が再燃し英会話教室に再度通うようになった大学生の頃、アルバイトをしていたお寿司屋さんで台湾から来られたご家族と仲良くなり、それをきっかけに台湾旅行をすることになりました。様々な観光地に連れて行ってくれ、台湾旅行自体はとても楽しかったのですが、英語を上手く話すことができず悔しい思いをしました。この経験から、「もっと英語を話せるようになりたい」と思うようになり、カナダへ短期留学することを決めました。カナダでの短期留学はとても楽しく、思い出深いものとなり、いつかまたカナダに戻ってきたい、今度はワーキングホリデーで戻ってこようと思うようになりました。
国家試験にも合格し、無事に看護師として就職をしてからは、大学生の頃に3年間続けていた英会話教室にもなかなか行けず、英語に触れない日々が続きました。また英会話教室に通うようになり、「やっぱり英語を話せるようになりたい」と思い始めたのは仕事が落ち着いてきた臨床4年目のときです。仕事にも慣れ、今の職場から離れることも考えていた私は、「そうだ、このタイミングでワーホリに行こう」と留学することを決意しました。
ワーホリをするならカナダと決めていたのですが、折角看護師の資格を持っているのだから活かしたいという気持ちがあり、最初は看護・医療英語を勉強する語学留学を考えていました。看護に関連する留学を色々と調べていたときに、ふと「看護 留学」で検索をしてみたら1番最初に出てきたのがワールドアベニューでした。看護助手として働くのは面白そう、これなら帰国後も仕事に活かせる、と惹かれたのですが、「カナダに行きたい」という思いが強かった私はすぐに決断ができずにいました。そんな矢先、たまたまオーストラリアに住んでいる友人に会いに行く機会があり、初めてオーストラリアを訪れたところ、フレンドリーで、人があたたかく、生活しやすい環境だと感じ、「この国ならいいかも!」と思うように、オーストラリアから帰国した直後、看護インターンシップに申し込みをしました。
私が、看護インターンシップに決めた理由は、大きく3つです。
1. 今までの看護経験を活かせる
2. お給料が高い
3. 看護現場で使える英語力を身につけられる
まず、「今までの看護経験を活かせる」という点です。普通のワーキングホリデーでは、日本食レストランなどの飲食店やお土産屋さんなどのアルバイトがほとんどで、一生懸命勉強して取得した国家資格や積んできた臨床経験を活かすことができません。看護インターンシップでは、看護助手として働くことができるので、今まで自分が頑張ってきたことが活かせると思いました。
次に、「お給料が高い」という点です。飲食店で働いた場合、あまり高いお給料はもらえないと聞きますが、看護助手は月の手取り額が30~40万円と聞き、同じワーキングホリデービザを使うのであれば、お金はより稼げた方が良いと思いました(笑)。高いお給料がもらえれば、旅行や趣味なども楽しめるし、もしワーホリ後に違うことにチャレンジしたいと思ったときにも、そこにお金をまわすこともできると思いました。
最後に、「看護現場で使える英語力を身につけられる」という点です。働いていた病院には国際部という部署があり、3~4カ国語話せる医療通訳士や看護師がいました。外国人患者を対応する姿を見て、自分もこんな風に語学力を活かしながら看護現場で働いてみたいと思うようになりました。友達同士の会話で出てくるフレーズや単語と看護現場で出てくるものは違うので、看護現場で英語を使えるようになるためには、海外の現場で働きながら実践的な英語力を身につけられた方が良いと思いました。
2.留学前に英語力のベースを作っておいて良かったと思えた就学期間
日本で英会話教室に通っていたこともあり、語学学校はレベル分け12段階中レベル5に入ることができました。看護インターンシップでは、最初にJET English Collegeというスピーキングとリスニングに特化した学校に通います。ここでひたすらスピーキングの練習をするのですが、勉強方法が自分に合っていて、とてもよかったです。これまでは文法を気にせず話していましたが、ここでは正しい文法で話さないといけないため、スピーキングをしながら文法力を身につけることができました。また、とにかくリピートリピートリピートで話すため、フレーズを頭で覚えているのではなく、口が覚えている状態になり、覚えたフレーズが口からスラスラ出てくるようになりました。最後は、レベル8まであがり、仮定法や過去完了などを使ったフレーズまで話せるようになりました。
また、私は通常の授業とは別で看護コミュニケーション英語コースも追加で受講しており、患者さんや利用者さんに対して使うフレーズをシチュエーション別で学んだり、身体の部位や臓器の名称なども習ったりしました。これは、働くときにとても役立ちました!
語学研修が終わると、看護助手として働くための資格を取得するCertificate3コースで学科の受講と実習を行います。英語力のベースをつけてから渡航し、さらに語学研修中に英語力を伸ばしたため、思ったほどの難しさは感じませんでした。先生たちはオーストラリアの方がほとんどで、もちろん授業は英語です。学科では、課題が出されるのですが、基本的に課題の答えはテキストに記載されているので、ちゃんと読み解いていけば課題を終わらせることはできます。実習もそんなに大変ではないですが、モーニングシフトで実習に行くため朝の早起きが辛かったです(笑)。
実習中に感じたのは、日本とオーストラリアの考え方の違いです。例えば、感染患者が入院してきたときに、日本では「他の患者さんにうつらないように」と考えると思いますが、オーストラリアでは「自分たちがうつらないように」と考えます。また、患者さんや利用者さんが転倒しそうになったときに、日本では自分の身を挺して支えると思いますが、オーストラリアでは自分が怪我をしてしまうので支えません。どちらが良いということではないですが、と思いました。
3.大好きなワインに携わることができたファーム生活
Certificate3コースが無事に終わり、2年目のビザを取得する条件を満たすためにファームに行きました。ワインが好きな私は、ワインに携わる仕事がしたいと思い、ワイナリーで有名な西オーストラリアのマーガレットリバーまで行きました。ワイナリーの派遣会社に登録し、仕事場に派遣されていきます。10kgのブドウが入るバケツを1日20~70個いっぱいにしていく作業をひたすら行います。ちなみに、ワイナリーの仕事なので、もちろんワインも飲んで楽しんでいました!
ブドウのシーズンはあまり長くないため、シーズン中に集中してワイナリーで働いたあとは、りんごの摘み取りとするファームで働きました。1m四方の木箱にりんごを詰めていくのですが、これを必ず1日3箱作らないといけません。1箱作ると$50もらえるので3箱で$150もらうことができます。ただし、3箱作れないとクビになります(笑)。この仕事は結構大変でした。
無事にファームも終わり、1か月間くらいゆっくり過ごしてからシドニーへ戻りました。
4.嬉しいことも大変なことも沢山経験したインターンシップ
シドニーに戻ってから、派遣会社に登録してナーシングホームで働き始めました。看護助手は生活介助の仕事が中心です。私は、だいたい週6日、その内2~3日は1日11~15時間働いていました。夜勤はあまり気が進まなかったため、基本的にはモーニングとアフタヌーンのシフトをもらって働いていて、1週間のお給料は税金を抜いて9~10万円ほどでした。生活費はもちろん問題ないですし、貯金もできます。1番稼いだときは、週6日の内4~5日11~15時間勤務して、手取りで13万円もらいました。
働いていると、日本との違いをよく感じます。働き方や各施設のルール、タイムスケジュールなど、日本とは違うことばかりで分からないことも沢山ありましたが、自分から質問すれば皆優しく教えてくれました。オーストラリアは、ケアが少し雑かもしれません。日本人の看護師さんは、ケアがとても丁寧なので、ケアの仕方や言葉遣いだけで、「あなた日本人?」とすぐにわかってもらえます。反対に、オーストラリアの良いところは、休憩時間がきちんと取れたり、定時であがれたり、と仕事とプライベートをしっかりと分けて、ワークライフバランスを重視しているところです。また、オーストラリアの方は感情表現が豊かで、ケアをすると「ありがとう」と沢山言ってもらえるため、「看護師やっていて良かった」と心の底から思うことができました。
ときには、ケアを拒否されたり、「オーストラリア人がいい」と言われてしまったり、「あなた何言っているかわからない」と言われてしまったり、と辛いこともあります。でも、だからこそ頑張ろうと思えるし、もっと受け入れてもらえるようになろう、もっと英語の勉強を頑張ろうと思える原動力となりました。
働きながら貯金もできるので、貯めたお金で旅行も楽しみました!クリスマスクルーズでバヌアツ島やニューカレドニア、ウルル、ゴールドコースト、パース、ニュージーランドなども旅行しました。また、日本に一時帰国したついでに、上海とジャカルタにも足を延ばして観光してきました。留学中に得たお給料で旅行ができるって、いいですね。
仕事もプライベートも充実した日々
5.留学を考えている方へメッセージ
迷うなら来た方がいいです。
1歩踏み出して、オーストラリアに来てみて、嫌だったら帰るということもできます。
日本を離れてみて、日本の良さを改めて感じ、日本が外からどう見えているのかを知ることができました。
オーストラリアは楽しもうと思ったら、いくらでも楽しむことができます。
行きたいと思ったら、そう思ったときにぜひチャレンジしてみてください!