見える世界を何倍にも広げてくれた海外看護インターン

お名前村松 美代子さん留学期間2016年7月~現在
滞在都市シドニー/オーストラリアインターン先ナーシングホーム/私立病院

国境なき医師団や青年海外協力隊など、国際協力活動への参加を目指すうえで助産師という職業を選んだ美代子さん。助産師として臨床を積む中で、日本にいながら英語力を伸ばすのは難しいと考え、英語環境に身を置くために留学することを決意されました。
渡航してから早2年以上が経過し、現在は学生ビザに切り替えて、語学勉強を継続して行っている美代子さんに、渡航前から今までの数年間を振り返っていただきました。
美代子さんにとって留学は、「世界を広げてくれた、かけがえのない経験」であったようです。

1.国際協力活動への参加を目指して、決意した看護留学

留学の目標・目的は、国際協力活動への参加に伴い必要な英語力や異文化理解能力などを得ることでした。
学生時代から国際協力活動に興味があり、「いつか発展途上国で活動をしたい」と思ったことから助産師になることを決めました。

新卒で入職した病院の産科を3年で退職し、助産所で働くようになったとき、様々なことが重なり「本当にこのままでいいの?このまま、私は日本で仕事をするの?」と考えるようになりました。当時、結婚をしようと思っていた方もおり、助産所での仕事もやりがいを持っていましたが、自分が助産師になった理由を思い返してみたとき、“国際協力活動への参加”という夢を持っていたことを思い出しました。日々の忙しさから、夢というものを忘れかけていた私の背中を押してくれたのは、助産所に来られていたお母さんたちです。これから子供を産むというお母さんたちから、「やりたいことはやった方がいい。今しかないよ。」という言葉をもらい、「よし、まずは調べることから始めてみよう」と、留学に関する情報収集を開始しました。

今思えば、両親が洋画を観ることが好きだったことから、私自身も子供の頃から海外への憧れや英語を話せるようになりたいという思いを心のどこかで持っていたように思います。

正直、「留学に行けたらいいな」くらいの感覚で資料請求をしたのですが、資料請求直後、ワールドアベニューから電話があり、今の担当カウンセラーさんと話すことになりました。あのときはレスポンスの早さに驚きました(笑)
お電話いただいてすぐは驚きもしたものの、留学したいと思ったきっかけや今後の目標・目的などをお話しているうちに、「こんなに熱心に自分のことを考えて、一緒にプランニングをしてくれる人がいるんだ」と思ったことを今でも覚えています。
漠然と「語学を学ぶ留学ができたらな」と思っていた私に、国際協力活動に参加するという夢を実現するために留学で何をすべきなのか、渡航までにどのような準備が必要なのかなど、詳細に提示してくれたので、現実的に留学を考えられるようになり、おかげで最終的に一歩踏み出すことができました。一人で考え込んでいたら、実現しなかったかもしれません。

資料請求をしたときは、英語を学ぶだけの語学留学を考えていましたが、最終的にはワールドアベニューさんからご紹介いただいた海外看護有給インターンシップに渡航することを決めました。私がこのプログラムに決めた理由は大きく2つあります。

1つ目は、働きながら実践的な医療英語を身につけることができること
2つ目は、様々な文化・価値観・看護観・宗教観を持つ人たちと働く経験ができること

私の目的は国際協力活動への参加でした。したがって、留学では、一般英語だけでなく、看護・医療の現場で求められる英語力を身につけたいと考えていました。英語を身に付けるため最初に考えたのは、英語をしっかりと学ぶことのできる語学留学です。しかし、よく考えてみると、学校で勉強しただけで実践的に使える英語力が身につくのか…… という不安がフツフツとわいてきました。

実際、日本でも中学・高校と英語の勉強をしているにも関わらず、英語を話せるようになっていないことを考えると、学校で勉強するだけでは実践的・実用的に使える英語力は身につかないのではないか…… と考えるようになりました。その点、このプログラムであれば、しっかりと英語を学んだのちに、アシスタントナースとして働くために必要な資格を取得するうえで、また、アシスタントナースとして働くことで、英語をアウトプットする機会を多く得られるのではないかと思いました。

また、将来、発展途上国で活動することを考えると、異なる文化や習慣、価値観、考え方を持つ人々と互いに認め合いながら働く力を身につける必要があり、移民の国であるオーストラリアの医療現場であれば、私が求めている経験ができるのではないかと思いました。

いざ、決断すると出発するまではあっという間でした。

「いつか英語を話せるようになりたい」とずっと思っていたこともあり、毎年「今年の目標は英語を勉強すること!」と宣言したものの、なかなか英語の勉強に力を注ぐことができずにいました。しかし、留学すると決めてからは「まずい!やらないと!」と考えるようになり、良い意味で自分を追い込むことができました。
人間、追い込まれるとやるもんですね(笑)。

2.英語を話すことが怖かった留学初期、語学研修後は怖がらずに話せるようになった!

プログラムの流れは、語学研修→Certificate 3→英語能力アセスメント→アシスタントナースとして就労開始という流れになっています。

語学研修 JET English College

最初の語学研修では、JET English Collegeという学校に通い、スピーキングとリスニングを徹底的に強化しました。JET English Collegeではカランメソッドという特殊な学習方法を用いています。とにかく「聞く・話す」を繰り返し行う授業で、正直、最初は先生方の話す英語が早すぎて全然聞き取ることができませんでした(笑)。
カランメソッドの良いところは、とにかく「繰り返す」ことです。繰り返すことにより、「使って覚える」という癖がついたため、今では、実践の場で「使っては覚えて」を繰り返しながら実用的な英語力を身につけられるようになりました。また、繰り返し練習したのは文法だけではありません。発音も同様です。苦手な発音(特に“R”と“L”)は何回も何回も繰り返しさせられました(笑)。そのおかげで発音が少しずつ良くなりました。

先生たちが教育熱心で「教えてあげたい!」という意欲を強く感じられたのも、JECの良いところかな、と思います。

Certificate 3コース

語学研修修了後は、アシスタントナースとして就労するうえで必要な資格を取るためCertificate 3コースで勉強をしました。Certificate 3コースは学科・実習に分かれていました。学科では解剖生理や安全管理、公衆衛生などを勉強し、実習は病院と施設で行われ、シャワー介助の仕方や移乗するときに使用するリフター(移乗器具)の使い方などを学びました。私は、日本で助産師として働いていたので、高齢者・認知症の方のケアには慣れておらず、実習は毎日が試練でした(笑)。ただ、わからないことや上手くできないことは先生が優しく教えてくれ、時には一緒にやってくれたりしたので、一つひとつ覚えていくことができました。本番のインターンシップ前に、実習で経験を積むことができたので、安心してインターンシップに取り組むことができたのは良かったです。

3.ずっと行きたいと思っていたタスマニア島でのファーム

「ファームは絶対にタスマニア島で!」と決めていました。Certificate 3コースの実習中に、タスマニアにあるファームでの求人を探し始めました。しかし、なかなか見つからず…… そんなとき、たまたまJET English Collegeの休憩室にいた友人が「今、タスマニア島でファームをしている人がシドニーに来ているから紹介しようか?」と言ってくれたのです。この出会いがきっかけで、なんとか無事にタスマニア島でのファームにたどり着くことができました。その方もワールドアベニューの看護インターンシップに参加している方だったので、安心してファームに行くことができました。友達って大切ですね(笑)。

タスマニア島のファームでは、朝5時に起床し6時半から8時間、ストロベリーをひたすらピッキングしていました(笑)。
ファームを始めたばかりのとき、英語を使わず母国語ばかりを話す他国の学生に対し「この人たちは何を学びにオーストラリアにきたんだ!?」と思っていたこともありました。しかし、最終的にはみんなと仲良くなり、マンダリン(北京語)を英語で教えてもらうなんてこともありました。

ファーム中は、タスマニアの州都であるホバートへ旅行に行ったり、トレッキングや川遊びをしたりしました。ただ、正直とても田舎なのであまりやることがなく、みんなでスーパーに行って80%割引の商品を探すことが唯一の楽しみでした(笑)。まず、日本であれば賞味期限ぎりぎりの食品や少し状態の悪い野菜などでも20~30%割引がせいぜいだと思います。「80%割引」の商品があるというのも、オーストラリアらしさを感じたワンシーンでした(笑)。

4.働く中で感じた辛さと喜び

海外生活の中で最も楽しかったファーム生活が終わり、2017年6月頃からアシスタントナースの仕事を始めました。
私は、病院とナーシングホームどちらにも派遣される派遣会社に登録をしていたのですが、ほとんどの仕事を病院で行っていました。

病院での仕事は、シャワー介助や食事介助などのケアをはじめ、バイタルサイン測定や看護記録などもやらせてもらっていて、アシスタントナースというよりも、日本の生活の仕事に近い業務に従事できたように思います。ただ、日本で助産師をしていた私にとって、成人の方をケアするのが初めてだったので、最初はシャワー介助など、どうしたら良いのかわからないことだらけで苦労しましたが、Certificate 3コースの実習経験も活かされ、徐々に慣れていき、問題なく働けるようになりました。
仕事は週に4日ほど働いて、手取りで週 $800(日本円で70,000円程度)もらえていたので、生活費だけではなく+@貯金をすることもできました。

オーストラリアで働いてみて辛かったことは、各患者さんのルールを把握しきれず、言われている通りにやっているつもりでも、患者さんに「もういいよ」という諦めの顔をさせてしまったり、怒らせてしまったりしたことです。申し訳ないという気持ちになり、同僚たちに話すと、私の気持ちを理解してくれて元気づけてくれたりしたので、それが助けとなり頑張ることができました。

嬉しかったことは、ケアをしていた患者さんの多くはとても優しく、感謝の気持ちを表現してくれて、「また来てね」「あなたのケアが1番良かった」と言ってもらえたことです。ときには、「英語を教えてあげる!」と言ってもらえたり、お茶をしながら雑談してくださったりと楽しい時間を過ごすことができました。
色々な国の人たちと一緒に働いていましたが、日本人以外のアシスタントナースはケアが少し雑なところもあるので、ケアの丁寧な日本人は気に入られることが多いと思います。
嬉しいことも辛いことも沢山ありましたが、全てひっくるめて、オーストラリアの現場で働くという経験ができて本当に良かったと思っています!

働きながらオーストラリアを満喫

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5.今後の目標

2年間の海外生活を経て、今は学生ビザに切り替え、語学学校でIELTSの勉強をしています。正看護師の資格取得などは考えていませんが、留学をして自分の英語力をどのくらい伸ばせたのかを数字で確かめるためにIELTSスコアを取得して帰国したいと思っています。目指すは、IELTS6.5です!!

また、将来は、助産師になった理由でもある国境なき医師団への参加にチャレンジしたいと思っています。そのため、日本帰国後は異常分娩やHIVなど感染症合併のお産などを経験・勉強できる大学病院への就職を考えています。大学病院は外国人患者も多く来院するので、オーストラリアで身につけた英語力も活かせるのではないかと思っています。

6.留学を考えている方へのメッセージ

留学への一歩を踏み出すのに、色々と迷い悩んで決断まで時間がかかる方もいると思います。なかには英語力が低いという理由で諦めてしまっている方も多いかと思います。ただ、「今、英語ができないから」というのは全く関係なく、「英語を話せるようになりたい」など強い気持ちがあれば、得られるものが沢山あります。
日本にいても働きながら楽しい生活を送ることはできると思います。しかし、一歩海外に踏み出せば日本では出逢えなかった人たちとの出逢いがあり、様々な価値観や考え方を知ることができます。
オーストラリアに来てから2年が経ち、今思うことは、2年前には想像できなかった世界が見えて人生が確実に良い方向に向かっている、ということです。

人生楽しむ!!
今やりたいことは今やる!!

一度しかない人生の時間を大切にして、自分の背中を押してあげて、是非一歩踏み出してみてください!!違う世界が見えますよ!!