お名前 | 反保 太一 さん | 留学期間 | 2009年10月~2010年12月 | ||
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滞在都市 | シドニー/オーストラリア | インターン先 | NSW州公立病院 |
アシスタントナースとして仕事ができるようになってまだ間もないですが、まだまだ緊張の連続で、自分が新人看護師だった頃を思い出します。と言っても、オーストラリアでは新人なのですが。。。。
現地の病院で働くようになって気づいた事ですが、日本でも基本的に身体拘束は廃止傾向にあるものの、こちらでは実際はまだまだ危険のリスク軽減のために身体拘束を行っているのが現状です。現地の病院の小児科で勤務をしたとき、僕が担当させてもらった患者さんは、偶然にも前回の時も担当したことのある患者さん(毎回派遣される病棟が違うので、同じ患者に当たることは珍しいんです・・・)で、職務内容は障害があり自ら危険行動を行ったり、また危険を回避できないため、患者さんの側で継続的に観察を行うというものでした。その日の患者さんは、経管栄養用のフィーディングチューブを挿入したこともあり、処置後に病室に帰室した際には、チューブに手や足を持って行こうとしてしまうため、抜去されないようにしばらくは腕を押さえ続けるしかありませんでした。日本での生活では、脳神経外科、救命救急センター、外科で勤務をしてきましたが、どの病棟も忙しく、身体の拘束をしないために人員を割くということはできなかったので、日本なら家族に頼るか四肢を抑制させてもらうしかないのが現状でした。
フィーディングチューブを挿入する際、「今回はレントゲンの透視下のもとで行う」ということで、患者さんと共に放射線科に行きました。そこで患者背景を聴かれたものの、そこまで把握していなくて答えることができず、そこのナースにも不機嫌な顔をされ若干へこみました。まさかそんな申し送りまでするとは思っていなかったので、ただ謝るしか無かったです。ただ病棟ナースが来てくれたときに、「ごめんなさい」と言ったら、「気にしないでいよ」と言ってもらえたことで、へこんでいた気持ちも和らいだ感じです。まぁ、麻酔をかけて、レントゲンの透視下で処置をするんだし、確かに申し送りは必要だったのは、十分理解ができるので、言われても仕方なかったとも思います。
その他にも患者さんが処置から帰室するまでの間、救急カートのチェックをさせてもらっていました。基本的にはセットされている内容は日本とも変わらない感じでした。ただすべて英語表記なので、チェックリストと照らし合わせるだけでも時間がかかった。。。。でも、全てを憶えることはできないまでも、1度見たのと見ないのとでは違うはずなので、良い機会を与えてもらった感じです。
この日の感想としては、患者さんは障害があって、コミュニケーションは難しい状態でしたが、久しぶりに患者さんと接する事ができて、とても嬉しかったし、愉しかったというのが一番です。日本で看護師をしている時は仕事に追われ、患者さんや家族と、ここまで長い時間を過ごせることが無かったので、新鮮な気持ちにもなれました。
実際にオーストラリアの病院にいる患者さんの側で患者さんと接してみて、「患者さんを思う家族の思いは、どの国においても変わらない」ということを改めて実感もでき、また僕が学んできた看護はここでも通用するという実感も得ることができました。
ただ語学力が不十分であることは常に痛感しています。申し送りを行うにも、日本で使っていた言葉が先に口にでてしまったりして、さらに実感してしまう状態が続いています。ただ、家族の方に「あなたの英語は、聞きやすい」と言ってもらえたことは、すごく励みになっています。もっと患者さんや現地スタッフさんとのコミュニケーションが円滑にはかれるようになれたらと思います。そのためにももっと語学のレベルをアップしていけたらと考えています。
そして、オーストラリアの病院で働くことができるという環境を活かして、多くの経験や体験ができたらと思うし、できればスタッフとも仲良くなって、将来的に友達の輪を広げられたらと考えています。病棟では同じ男性ナースも見かけることができ、こちらにも男性ナースが頑張っているのが伺え、なにか嬉しかったです。これからも様々な出会いを大切にしたいと思います。
先述したような良い経験をさせて頂いたうえ、初めての給料をもらった時は「こんなにもらっていいのかな?」と思いました。時給は約$20で、税金等を差し引いても、6時間勤務で手取りが約$125です。この仕事の割には多くない!?という感は抜けませんが、せっかく頂けるものなので頂いておきます。。。。
私は現在学生ビザで、仕事をする傍ら、語学学校にて英語を勉強していますが、勉強はどれだけしても足りないなと痛感しています。紆余曲折を経て、ここまでやってきましたが、看護の仕事をしながら現場での英語を学び、学校でも英語も勉強できるこの環境を作ってくれたエージェントの人に本当に感謝しています。これからも充実したオーストラリアの生活を過ごすためにもっともっと仕事に勉強に頑張ります!