オーストラリア正看護師資格取得留学
認定基準の英語力と試験種別
英語の証明が免除される場合がある?
オーストラリアの看護協会では英語力の証明に関する免除規定を設けています。主に英語圏の国で教育を受けていた方が対象となりますが、高校時代に留学されていた方や帰国子女の方は該当される可能性があります。具体的な条件や対象国を見てみましょう。
条件
認定されている国*で英語での正規教育課程**を継続して5年間以上受けていること、またそれを証明できること
*認定されている国
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランド、南アフリカ、イギリス、アメリカ
**正規教育課程に含まれるもの(組み合わせ)
高等学校 + 大学 + 大学院
高等学校 + 専門学校 + 大学 + 大学院
専門学校 + 大学 + 大学院
大学 + 大学院
大学のみ
大学院のみ
なお、ワーキングホリデーや語学留学(語学学校での就学)期間は加算対象にはなりません。また対象国以外の教育も算定されません。
この基準で英語力の証明となった実例として、ニュージーランドの高校を卒業後、オーストラリアの大学(看護学部)へ進学、その後卒業された方がいらっしゃいます。ニュージーランドの高校正規課程とオーストラリアの大学正規課程で合計5年以上学んだため、英語力の証明を行う必要なく、各教育機関の卒業証明書と成績証明書をもとに看護協会への申請を行い受理されています。
採用されている試験の種別と概要
オーストラリアの看護協会で認定されている英語試験は、IELTS、OET、PTE、TOEFL iBT、ケンブリッジ英語検定の5種類です。TOEICや日本の英検は対象外となっていますので注意しましょう。
看護協会が定めるルールは以下の通りです。
- ルール 1
- 有効期限は2年間
看護協会に申請書を提出する日から遡って2年以内に受け取った試験結果を提出することができます。
- ルール 2
- 過去2回の結果を加味して判定
同一試験で、かつ12ヶ月以内の結果であれば最大2回分の結果を加味して判定を受けることができます。ルール1の有効期限は1回目の試験が採用されるため、看護協会への書類提出日も注意する必要があります。
例:IELTSの場合
1回目:2025年1月に受験
| リーディング | リスニング | スピーキング | ライティング |
|---|---|---|---|
| 7.0 | 7.5 | 6.5 | 7.0 |
2回目:2025年7月に受験
| リーディング | リスニング | スピーキング | ライティング |
|---|---|---|---|
| 6.5 | 7.0 | 7.0 | 6.5 |
1回目、2回目ともに一つの試験では看護協会が定める基準に達していません。しかし、両方の試験を受験した日が12ヶ月以内で、かつ足切り点(各科目が6.5以上)を超えているため、両方の結果を組み合わせて看護協会へ提出することができ、合格基準に達したと判定を受けることができます。
| リーディング | リスニング | スピーキング | ライティング | |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 7.0 | 7.5 | 6.5 | 7.0 |
| 2回目 | 6.5 | 7.0 | 7.0 | 6.5 |
| 判定時 | 7.0 | 7.5 | 7.0 | 7.0 |
英語試験ごとの認定基準と対策
ここからは、オーストラリアの看護協会で認定している5つの英語試験の基準と概要、対策をご紹介します。
IELTS (International English Language Testing System)
IELTS (アイエルツ、International English Language Testing System) は、英語を母語としない人々を対象とした国際的な英語能力試験です。オーストラリアに限らず、イギリスやニュージーランド、カナダなど英語圏の大学・教育機関、移民局などで広く認められています。試験は「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能で構成され、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があります。前者は留学や専門職に必要な英語力を測るため、後者は移住や就労を目的とした受験者向けです。スコアは1.0〜9.0で評価され、各技能ごとと総合スコアが提示されます。試験は年に複数回実施され、紙とコンピューター両方の形式があります。
なお、オーストラリアの看護協会に提出する試験はアカデミック・モジュールが対象となります。
IELTSの概要
| 実施団体 | ブリティッシュ・カウンシル、IDPオーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構 |
|---|---|
| 試験会場 (日本) | 15都市 (東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡等) |
| 試験料金 (日本) | 27,500円 |
| 試験会場 (オーストラリア) | シドニー (複数箇所)・ブリスベン・メルボルン等 |
| 試験料金 (オーストラリア) | 475豪ドル |
| 試験頻度 | ほぼ毎週 |
| 試験形態 | ペーパーテスト、またはコンピューター(筆記のみ)/ スピーキングは試験官と対面形式 |
| スコア | 1.0 (最低スコア) 〜 9.0 (最高スコア)までの0.5刻み |
| 試験結果 | 10営業日 |
IELTSの試験形式
| リーディング | 40問 | 60分 |
|---|---|---|
| リスニング | 40問 | 40分 (30分+10分) |
| ライティング | 2問 | 60分 |
| スピーキング | 3セクション | 約20分 |
オーストラリア看護協会の認定基準
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 7.0 | 7.0 | 7.0 | 6.5 | 7.0 |
試験結果合算時の足切り基準 (1科目でも下回ると合算不可)
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
OET (Occupational English Test)
OET(Occupational English Test)は、医療・ヘルスケア分野で働く専門職のために設計された英語能力判定試験です。看護師、医師、薬剤師など12の医療職種を対象としており、職場で必要とされる実践的な英語力を評価します。試験は「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能で構成され、各セクションは医療現場を想定した内容で出題されます。特にライティングとスピーキングは職種ごとに異なる内容で、例えば、看護師なら看護師向けのケーススタディが使用されます。評価はA〜Eの5段階で行われ、多くの英語圏の医療機関や移民局で認定されています。実務に直結した英語力を示す試験として、医療従事者に広く利用されています。
OET新形式 (OET2.0)の概要
| 実施団体 | ケンブリッジ大学英語検定機構、ボックスヒルインスティチュート |
|---|---|
| 試験会場 (日本) | 大阪、東京 |
| 試験会場 (オーストラリア) | シドニー (複数箇所)・メルボルン等 |
| 試験料金 (オーストラリア) | 587豪ドル |
| 試験頻度 | ほぼ毎月 |
| 試験形態 | ペーパーテストのみ / スピーキングは試験官と対面式 |
| スコア | A(450-500)最高スコア / B (350-440) / C+ (300-340) / C (200-290) / D (100-190) / E (0-90) 最低スコア |
| 試験結果 | 12営業日 |
OET新形式 (OET2.0)のテスト形式
| リーディング | 3セクション | 60分 |
|---|---|---|
| リスニング | 3セクション | 40−45分 |
| ライティング | 1問 | 45分 (5分+40分) |
| スピーキング | 2問 | 約20分 |
オーストラリア看護協会の認定基準
| リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|
| B | B | C+ | B |
テスト合算時の足切り基準(1科目でも下回ると合算不可)
| リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|
| C+ | C+ | C+ | C+ |
PTE (Pearson Test of English)
PTE(Pearson Test of English)は、英語を母語としない人々を対象にした国際的な英語能力試験で、主に留学や移住、就労を目的とする人向けに設計されています。イギリス、オーストラリア、カナダなど多くの国の大学や移民局で認定されています。試験は「スピーキング&ライティング」「リーディング」「リスニング」の3つのセクションに分かれており、すべてコンピューターで実施され、自動音声認識とAIによって採点されます。試験時間は約2時間で、結果は通常48時間以内に届く迅速さも特徴です。実際の使用場面に即した設問が多く、日常会話やアカデミックな内容がバランスよく含まれています。公平性と効率性を重視した英語試験として、近年注目を集めています。
PTEアカデミックの概要
| 実施団体 | ピアソン |
|---|---|
| 試験会場 (日本) | 東京・大阪など複数都市 |
| 試験会場 (オーストラリア / 日本) | シドニー (複数箇所)・メルボルン等 |
| 試験料金 (オーストラリア) | 475豪ドル |
| 試験頻度 | 複数日 (予約は1回しかできないため、実質1ヶ月に1回の受験) |
| 試験形態 | コンピューターテストのみ |
| スコア | 各科目10点 (最低スコア) − 90点(最高スコア) |
| 試験結果 | 5営業日以内 |
PTEアカデミックのテスト形式
| リーディング | 出題回によって問題数が異なる | 約30分 |
|---|---|---|
| リスニング | 出題回によって問題数が異なる | 約30分 |
| ライティング | 各問題形式から数問出題 | 54分-67分 |
| スピーキング |
オーストラリア看護協会の認定基準
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 65 | 65 | 65 | 56 | 65 |
テスト合算時の足切り基準 (1科目でも下回ると合算不可)
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 65 | 56 | 56 | 56 | 56 |
TOEFL iBT (Test of English as a Foreign Language)
TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language Internet-Based Test)は、英語を母語としない人々を対象にした英語能力試験で、主に北米を中心とした英語圏の大学や大学院への留学を希望する人に向けて開発されています。試験は「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4技能で構成されており、すべてインターネットを通じてコンピューターで実施されます。アカデミックな内容が中心で、講義の聞き取りやエッセイの作成など、大学での学習に必要な英語力を測定します。
スコアは各セクション30点、合計120点満点で評価されます。2026年1月21日から、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に直接対応された1〜6 のバンドスコア方式が導入されるため、移行期の2年間は、従来の0〜120点スコアと新しいバンドスコアが両方表示されることとなります。2026年1月21日からのアップデートに伴い、試験時間は短縮され、課題の種類が多様化される予定です。前半の正答率によって後半の問題の難易度が変わるといった、「たまたま簡単な問題が多かった/難しかった」などの運要素を減らし、より正確に受験者の実力を測定できるようになります。
試験は世界中で実施されており、多くの高等教育機関や奨学金プログラムで広く認定されています。
TOEFL iBT
| 実施団体 | ETS |
|---|---|
| 試験会場 (日本) | 東京・大阪を含む各都市 (試験会場は多い) |
| 試験会場 (オーストラリア) | シドニー (複数会場)、メルボルン等 (試験会場少ない) |
| 試験料金 (オーストラリア / 日本) | 288米ドル |
| 試験頻度 | 複数日 (予約は1回しかできないため、実質1ヶ月に1回の受験) |
| 試験形態 | コンピューターテストのみ |
| スコア | 0点 − 120点 or 1 − 6点(2026年1月21日より導入) |
| 試験結果 | 8日以内※2026年1月21日以降は72時間以内 |
TOEFL iBTのテスト形式
| リーディング | 35-48問 | 27分 |
|---|---|---|
| リスニング | 35-45問 | 27分 |
| ライティング | 12問 | 23分 |
| スピーキング | 11問 | 8分 |
オーストラリア看護協会の認定基準
| 合計点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 94 | 24 | 24 | 24 | 23 |
テスト合算時の足切り基準 (1科目でも下回ると合算不可)
| 合計点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| – | 19 | 20 | 24 | 20 |
ケンブリッジ英語検定
ケンブリッジ英語検定(Cambridge English Qualifications)は、イギリスのケンブリッジ大学が提供する英語能力試験で、日常英会話から学術・ビジネス英語まで幅広いレベルに対応しています。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいたA1〜C2の各レベルに対応した試験があり、代表的なものにはKET、PET、FCE、CAE、CPEなどがあります。試験は「リーディング」「ライティング」「リスニング」「スピーキング」の4技能を総合的に評価し、実生活での英語運用力に重点を置いています。合格すると有効期限のない認定証が発行される点も特徴で、留学、就職、移住など多様な目的に利用されています。世界中の教育機関や企業に認められており、信頼性の高い英語試験とされています。2025年3月よりオーストラリア看護協会に認定された最も新しい認定試験です。
ケンブリッジ英語検定の概要
| 実施団体 | ケンブリッジ大学英語検定機構 |
|---|---|
| 試験会場 (日本) | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡など |
| 試験会場 (オーストラリア) | シドニー、メルボルン、ブリスベン、パースなど |
| 試験料金 (オーストラリア) | 330-440豪ドル(試験によって異なる) |
| 試験頻度 | 4-22回程度/年 (試験によって異なる) |
| 試験形態 | ペーパーテスト、デジタルテスト |
| スコア | 120-200点(KET、PET、FCE、CAE、CPE) |
| 試験結果 | 6週間 |
ケンブリッジ英語検定のテスト形式
| 技能/試験 | CPE | CAE | FCE | PET | KET |
|---|---|---|---|---|---|
| リーディング | 時間:1時間30分 配点:全体の40% |
時間:1時間30分 配点:全体の40% |
時間:1時間15分 配点:全体の40% |
時間:45分 配点:全体の25% |
時間:約30分 配点:全体の25% |
| リスニング | 時間:40分 配点:全体の20% |
時間:約40分 配点:全体の20% |
時間:約40分 配点:全体の40% |
時間:約30分 配点:全体の25% |
時間:約30分 配点:全体の25% |
| ライティング | 時間:1時間30分 配点:全体の20% |
時間:1時間30分 配点:全体の20% |
時間:1時間30分 配点:全体の20% |
時間:45分 配点:全体の25% |
時間:約30分 配点:全体の25% |
| スピーキング | 時間:16分 配点:全体の20% |
時間:約15分 配点:全体の20% |
時間:14分 配点:全体の20% |
時間:約12分 配点:全体の25% |
時間:約8-10分 配点:全体の25% |
オーストラリア看護協会の認定基準
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 185 | 185 | 185 | 176 | 185 |
テスト合算時の足切り基準 (1科目でも下回ると合算不可)
| 平均点 | リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
|---|---|---|---|---|
| 185 | 176 | 176 | 176 | 176 |
必要な英語をみにつける勉強方法とは
オーストラリアの正看護師認定に必要な英語力は一朝一夕で達成できるものではありません。また、現在の英語力によっても勉強の仕方が変わってきます。ここでは、大学進学・編入する場合とOBAを利用して看護師資格を取得する場合と、それぞれで必要な英語力をみにつける勉強方法について簡単に解説いたします。
看護大学に編入する方
2019年12月以降、ANMAC(Australian Nursing & Midwifery Accreditation Council)より、すべての大学の看護学部では入学要件としてIELTS7.0(各バンド7.0以上)を求めるよう、オーストラリアの各大学は通知を受け取りました。
それ以降、上記の要件が求められていましたが、2025年3月から正看護師登録をする際の英語規定が緩和されたことにより、入学要件を緩和させている大学が徐々に増えてきています。大学によって入学要件が異なるため、大学選定の時に注意しましょう。
OBAを利用する場合
日本で4年制大学(看護学部)を卒業し、看護師資格を取得されている場合は、オーストラリアで改めて学士を取得す必要はありません。OBAと呼ばれる、知識アセスメントと技術アセスメント、オリエンテーションをパスすることで、正看護師の登録手続きを行うことができます。ただし、これらのアセスメントを受けるためには、IELTS7.0相当以上の英語力が必要です。
英語力初級者〜中級者 (IELTSで6.5取れる英語力)
焦らず英語の基礎能力 (文法・単語力)を上げていくことに集中しましょう。スピーキングやライティングも英語の基礎能力がなければスコアを落としてしまいます。最初は英単語帳や英文法書を勉強することからスタートすべきです。IELTSの公式問題集を使い、自分で採点できるリーディングとリスニングで概算6.0以上とれるようになるのが最初のゴールです。次に、IELTS向けの教材を使いIELTSスコア6.5を目指しましょう。独学で勉強できるタイプであれば、独学で勉強しスコアを伸ばせば伸ばすほど総費用を抑えることができます。仕事との両立が難しい方やスピーキング経験が圧倒的に少ない場合は、早めに留学し英語環境に身をおいて勉強を進めた方がいいケースもあります。
英語力上級 (認定基準を満たす英語力)
IELTSの公式テストで全科目6.5(ライティングは6.0でも可)を目指します。その後、IELTSからOETまたはPTEへ試験を切り替えて認定基準を満たす英語スコア取得を目指しましょう。IELTSを経由する理由は、1.教材が多い、2.受験日が多い 3.アカデミック英語を学ぶのに最適 だからです。焦っていきなりOETやPTEに挑戦すると壁にあたってしまう方が多いため、IELTSを経由することが王道になっています。しかし、IELTSはライティングの難易度が他のテストと比較するとかなり高いため、認定基準をIELTSで満たす(ライティングでも7.0を取る)のは現実的ではありません。この点では、OETやPTEの方がライティングの難易度が低いため簡単だと言われる所以になっています。
PTEアカデミックの人気は高まっていますが、ワールドアベニューで挑戦されている方の多くが、OETで認定基準を満たしていらっしゃいます。
看護師登録に必要な英語力は高く厳しい道程ではありますが、挑戦し始めればいつか達成できる日が来ます。日本にいる間から独学で学習できる英語の勉強を進めることによって留学期間や留学費用を抑えられますので、早めに動き出し夢を現実に変える一歩を踏み出しましょう。

