【看護交流会の様子】

先輩国際派看護師のセミナー(2016年10月開催)

長年、看護留学に取り組んできたワールドアベニューでは、オーストラリアで正看護師資格を取得し、現地病院で働く方や、今現在資格取得のため奮闘中の方、オーストラリアで国際結婚され、プライベートもキャリアも両方の成功を掴んでいる方などとの、海外で頑張る皆さんとの交流促進を目的として、「看護交流会」を開催しています。
「交流会」では、オーストラリアの病院や介護施設など現場の見学、先輩国際派看護師のセミナーや、大学スタッフによる看護学部の説明会など、留学情報収集・交換の場を提供いたしております。

その一環として、今回は、2016年4月に資格を取得された繁 嘉代子様にシドニーオフィスへご来訪いただきました。

短期留学、アシスタントナース有給インターンシップ、語学学校、大学編入と、ありとあらゆる留学スタイルでこの5年間を駆け抜けてきた嘉代子さんから伺った沢山のお話の中より一部抜粋して皆さんにもご紹介させていただきます。

繁 嘉代子様 短期留学から現在までの経緯
2011年5月 インドのマザーテレサボランティアに参加するため、少しでも英語力を高められればとシドニーへ短期留学を経験。
2011年8月 マザーテレサのボランティアを終え、本格的に海外で働く経験をしたいと、アシスタントナース有給インターンシップへ参加。
2年間のインターンシップ修了後、大学の提携語学学校にて進学準備コース 約3ヵ月間を経て、大学へ編入。
2016年4月 正看護師資格取得→派遣スタッフとして働きながら就職活動中。
2016年10月 正看護師としてフルタイムジョブをGET!

大学での講義内容について

日本と全く違うオーストラリアでの看護の勉強

「一言でいうとオーストラリアでの勉強は『実践的』です。日本では教科書の内容に沿って、知識を詰め込む授業形式でした。特に看護学部は国家試験を意識した授業になることがほとんどです。しかしオーストラリアでは、教科書に書いてあることは理解していることを前提に、ディスカッションやケーススタディーをどんどん行っていきます。科目の中には、リーダーシップやチームワーク、ミスを起こした際、省察するうえでの留意点など実際に働き始めてから学んでいくようなものもありました。」

他にも、大学のカリキュラムの一部を公開いただき、具体的な科目、リーダーシップのことやアボリジニーなどの地域看護のこと、実習ではどのような経験をしたのかなどをお話いただきました。
実習では、急性期病棟、慢性期病棟、在宅看護をそれぞれ2週間ずつ行い、4週間ICUを経験しました。他にも、オペ室も経験されたそうです。


最初は馴染めなかった学習スタイル

何事にも積極的な嘉代子さんですが、大学での自然発生するディスカッションや、何も与えられない実習時間にストレスを感じたこともあり、勉強方法の違いには戸惑いを覚えたといいます。
しかし「覚えなければならないこと、勉強しなければならないことは山のようにあって、すべてを教えてあげる事はできない。だからここでは勉強の仕方、知識の深め方を教えます。」という先生の言葉をきっかけに嘉代子さんは学ぶことを楽しめるようになりました。
「どの情報が正しいのか、どの研究発表の信用性が高いのかなどは誰も教えてくれません。だから自分で正しい情報・知識を取り込めるような技術をもっていなければいけません。特に最終学年でのカリキュラムにはそういったスキルに関する科目が多かったように感じます。」

英語の向上方法

「アシスタントナースとして働き始めて、少したったとき、オーストラリアでの資格取得に挑戦したいと考えました。ただ、もともとセンター試験の結果が400人中398番という奇跡的な英語レベルだった私は、英語力に対して不安がありました。」という嘉代子さん。
アシスタントナース有給インターンシップを通じ、看護の現場で実践的に英語コミュニケーション力を伸ばしたことは言うまでもありません。ただ、他にも、さまざまな工夫の中で英語力を伸ばされました。その方法を一部ご紹介します。

とりあえず映画を見た。

知ってる内容の映画を繰り返し見る!
見方:字幕付きで見る→字幕なしで見る→字幕付きで見る を繰り返す。
繰り返し、ネイティブの表現やかっこいい言い回しを見直すことで、日常生活のなかでも使えるようになっていきます。

ネイティブの友達を作る!

ネイティブとコミュニケーションを取ること自体、英語力の向上につながります。
ただ、ここでポイントなのは、「間違ってたら直してくれる?」とお願いしておくこと!留学生同士ではなかなか気が付けない細かなニュアンスやイントネーションなど、指摘を受けることで、英語力がグッと伸びます。

とにかく繰り返し練習!

歌をうまく歌えるようになるためには、ひたすら繰り返し練習しますよね。それと同じで、英語も上手に喋れるようになろうと思ったら、ひたすら繰り返し練習することが大切です。また、アルファベットを使う国(ヨーロッパ諸国など)に比べると、自分の発音が悪かったり、スペルミスが多いと感じたりします。でも、気持ちで、負けてはいけません。

恥ずかしがらないこと!

恥ずかしがって、喋れずにいたら、いつまでたっても喋れるようになりません。
私の場合、今はイタリア人の彼氏がいるので、イタリア語の勉強をしています。イタリア語力を伸ばすうえでも、重要だなと感じているのは、英語同様、やはり恥ずかしがらずに言葉を発することだと思います。

アプリやブログを活用!

ファーム中にケンブリッジの「Grammar in USE」を繰り返し勉強したり、TED、BBC NEWS、Podcast、English Grammar(ライティング100文字までなら、無料で修正)など英語教育に関するアプリをフル活用したりしています。
他にも、IELTS-BLOG(IELTSの試験管をやっていた人が添削してくれる)、1問$4ぐらいで直してくれるので、結構使いました。

テレビやニュースをとにかく見る!

特に月曜日の夜に近隣の病院のドキュメンタリーが見ることができるので、看護師の人は必見です!

ジャパレス(日本食レストラン)は避ける!

お金がぎりぎりの場合、仕方ないこともあると思います。が!!やはり、どうしても日本人でつるんでしまい、英語力向上の妨げになる場合が多いと思うので、できる限り、ジャパレスは避けましょう。

電話でのコミュニケーションは練習した方がよい!

電話だと相手の表情や、ジェスチャーなども見えないため、対面でのコミュニケーションより、難しく感じます(実際難しい…)。しかし、医師や薬剤師に業務連絡したり、家族への説明をしたりなど、仕事でも、電話でのコミュニケーション力は必須です。本当に難しいので、これは日々勉強した方がよいと思います。

私の場合、もともと人とコミュニケーションとることが好きだったこともあり、1年目のワーキングホリデーで、セカンドワーキングホリデー申請のために参加したファームから戻ってくる頃には、苦手意識も薄れ、スピーキングとリスニングには特に問題はありませんでした。
アシスタントナースとして仕事を始めたときのも英語力面でクレームを言われることもありませんでした。その反面、ライティングとリーディングには自信がありませんでした。でも、『頑張れば、大学進学できるかも』と感じさせてくれたのは、進学準備英語コースのレベルチェックテストでした。レベルチェックテストの結果、大学編入のチャンスは意外とすぐそこにあることを知り、思い切って挑戦することに決めました。
大学で求められる英語力への不安はEAP(進学準備コース)で解消しました。大学ではエッセーも、プレゼンもできるのも当たり前。進学後は誰も『方法』を教えてはくれません。看護インターンで培ったコミュニケーション力とEAPで身に付けたアカデミックスキルを基に大学での勉強をスタートしました。

これから資格取得を目指す方であれば、アシスタントナース有給インターンシップで、働きながら英語力を伸ばしつつ、都度IELTSなどの試験を受けてみることをおすすめします。

オーストラリアで看護師をするために

医療としての看護を求めるのであれば、日本で勉強したほうがいいと思う。
終末期に興味がある人、人の「命」に寄り添いたい人は、オーストラリアのほうがいいのではないかと感じています。

オーストラリアで正看護師を目指したいと考える方へ

海外で看護師になりたいと夢を持っている方も多くいると思います。でも、英語力が心配、大学に行くお金がない、海外での生活がやっていけるか心配、家族の反対を押し切れないなど様々な理由でもう一歩前に踏み出せない方も多くいると思います。
私からのメッセージは、そんな悩みを一旦忘れて、もう一度『自分は本当に海外で看護師になりたいのか?』と自分自身に質問してみてください。そしてその答えがYESならあとは行動あるのみです。
ちなみに上述した『一歩踏み出せない理由』は私も一通り経験しました。そしてその次に挙げた質問に対する私の答えはYESでした。それから約3年後の今、ゴールにたどり着けた私がいます。
とはいえ、『海外で資格を取得し、就職して働く…』となると、大きな決断が必要だと思います。
そしてそこには、さまざまな障害=一歩踏み出せない理由があると思います。

私自身も抱えていた沢山の『一歩踏み出せない理由』をどう解消したか、ご紹介します。

資金繰りを上手にすること。

例えば、オーストラリアの場合、学生ビザで就学中でも2週間で40時間、ホリデー期間中は上限なく働くことができます。日々の生活費は、週2回程度働くことで賄えます。あとはホリデーの期間に働きまくって大学の授業料を稼ぐ!!というのはおすすめです。

家族の反対は、説得あるのみ!

子供の幸せを願わない親御さんはいないと思うし、ご両親の反対は、子供の安全を考えての意見です。「本当にチャレンジしたい!」と思うのであれば、何度も諦めずに自分の思う幸せのカタチをきちんと説明し、説得するしかありません。

資金繰り

留学には大きなお金がかかります。でも、本当にどうにかしたいと思うなら、誰かに頭をさげてでも借りればいいと思います。本当にどうにかしたいなら、どうにかなる!

英語力

勉強するしかない。あきらめたらそこで終了です。(笑)

臨床経験

『自分の経験やスキルは海外で通用するのだろうか……』というのは、やってみなければわかりません!というよりも日本の技術は世界に通用するので、自信をもって海外に挑戦してほしいと思います。

今後の目標・進路

英語もできるようになり、資格も取得しました。その過程のなかで新しいさまざまな出会いの中で、色々な選択肢があります。選択肢は大きく3つ。

オプション 1. 彼(イタリア人)が国に帰るなら、ついていくのもありかも!
イタリアについて行って、イタリアで看護師をする!!
オプション 2. 彼が起業! Accountantになり、公私ともにパートナーとして支える
Accountantとは経理関係の業務を担当する仕事のことです。看護とは少し離れているのですが、最近立ち上げた彼の会社が今後大きく成長したときに手伝えるようにしたいと考えています。Accountantの経験はおそらく私の将来の夢にもつながると考えています。
オプション 3. 看護師として専門性を追求
Clinical Nurse Specialist (CNS) かNurse practitioner (NP) になる。
CNSはチームのリーダー的な役割を果たし、NPとは医師に近い役割で診断や薬の処方をする事ができます。どちらも、専門看護を提供するうえでとても必要なスキルだと思います。

最後に……

やらないでに後悔するよりも、挑戦するほうが絶対いいと思います。
海外で看護師したいと思うなら、その気持を大切にして、あきらめる理由を探すのではなく、どうやったらできるのか、ワールドアベニューみたいなプロのエージェントに相談して、確実な道にしていけばいいと思います。

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