採血するために資格取っちゃいました。

20150930_154800日本で看護師として働いていたときは毎朝の採血件数に一喜一憂していた事を覚えています。日本とオーストラリアの看護師の業務内容の大きな違いのひとつとして、必ず挙がることといえば、「オーストラリアでは看護師は採血をしません」ということです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、オーストラリアでは業務が完全分業制になっています。具体的な例を挙げるならば、AIN(アシスタントナース)は清拭・バイタルサインのチェック・ベッドメイキングをして、Ward Man(力持ちの男性)は患者さんを検査に連れて行ったり、体位変換を手伝ってくれたりします。採血や検体採取は「病理検査アシスタント」の役割となり、各病棟を徘徊して行います。逆に言えば、たとえ看護師で採血がしたくても採血のCertificate(資格)がなければ採血はできないのです!たとえば、夜勤中でDrが採血のオーダーを出すと、病理検査アシスタントに連絡して来てもらう(いつ来るか分からない…)か、certificateを保持した看護師をみつけてお願いしなければなりません。「採血ができなければ看護師ではない!!(持論)」って事で、大学の冬休みを利用してその採血のCertificate (Certificate III in Pathology)を取りに行きました!今回はそのときの様子を紹介したいと思います。

 

事前確認を怠らないように!

コースは通常3ヶ月ほどかかるのですが看護学生または看護師の場合は1週間(5日間)のコースで終了します。私が申し込んだときはコースの空きがほとんどなく、4日後に始まるコースか次は夏休み中のコースになると言われました。ってことで、4日後のコースに申し込んだのですが電話対応してくれた方に「前日までにe-learningの修了証をメールで送ってね。」と言われて「???」。実はコース開始に必須のe-learning (online course)があってすべて終了するのに通常2週間ほどかかるそうです。私はその存在を知らず「キャー!!!!」すぐに取り掛かりましたが知らない医療英語が多々ありなかなか苦戦、静脈・動脈の名前から、医療器材の名前、内服薬の名前からとにかく辞書やインターネットを頼りになんとか無事前日までに終わりました。
 

学習する内容は様々。

そしてコース開始当日、生徒数は10人程度と小グループで、同じ大学から来ている学生も何人かいて、すぐにみんな仲良くなりました。コースの内容としてはまず手洗い方法から始まりrequest form(採血オーダー伝票)の読み方、記入方法、採血スピッツ・検体容器の違いを勉強し、すべての項目ごとに個別で口頭テスト(trainerと1対1)でミニテストを受けます。続いて、ECG、Blood culture, 検便・検尿、Glucose tolerance test などの手技や注意事項のLecture(講義)のあとまたミニテスト。3日目は緊急時の対応方法というお題で心肺蘇生法やAEDの使い方のLectureから始まりこれはグループに分かれてのテストでした。続いて喘息発作・熱中症・アナフィラキシーショックなどの対応方法などのLectureを受けました。なぜこれらの知識が必要なのかというと、在宅訪問も行うからです。
 

興味深いケーススタディ

4日目に受けた「ペットの居る家への訪問」や「家庭内暴力の疑いのある在宅訪問時の注意」などはとても興味深かったです。このようなケースの場合はまず何より、スタッフ自身の安全確保が第一になります。犬など飼っている場合はあらかじめ別の部屋に動物を移しておいてもらいます。以前、在宅での採血中、主人が傷つけられていると勘違いしたのか犬がスタッフに飛びついて針刺し事故が起きたそうです。また、別のケースでは採血中に飼っていた鳥が突然飛んできて手元が狂い採血をやり直すことになり患者さんは痛い思いを2度しなければならなくなったそうです。また、今まさに夫婦喧嘩中の在宅訪問も注意が必要です。スタッフ自身の安全が保障されない場合、在宅訪問をスタッフの判断でキャンセルできるそうです。もちろん、場合によっては警察に連絡して安全確認してもらったりもするそうです。

 

いきなり総合病院にいけない??

日本とオーストラリアの医療システムの違いのひとつGP (General Practitioner) の存在があります。ご存知の方も多いと思いますがここオーストラリアでは紹介状なしで総合病院にかかることはほとんどありません。まずGP(開業医・ホームDr)に診察してもらい必要に応じて紹介状を書いてもらい始めて総合病院にかかるのです。GPで採血オーダーを出された場合、患者さんはそのオーダー伝票を持って最寄の採血センターに行くか、自宅にスタッフに来てもらうようになります。病院などの設備が整った環境以外での医療行為なので緊急時の対応方法の知識が必要となるわけです。

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そんなこんなで最終日の採血の実技試験(ペアを組んで実際の採血)後、無事course終了。採血センターでの1日実習を終えて晴れてcertificate3 in pathologyをいただくことができました。

日本のように看護師だから採血や尿道カテーテル留置ができるのではなくそれぞれの手技別にcourseを受けてcertificateをもらう必要がありこれは患者さんへの安全な看護ケアの提供のためには必要なステップなんだと感じました。この他に看護師になってからも経験年数ごとに自分の興味のある分野の知識を深めてnursing specialistになることも出来ます。Nursing specialist になると簡単な薬の処方ができたり、医療スタッフ(看護師や研修医)への指導やアドバイスなどの業務もこなす様になります。このように様々なchanceや step upの機会のあるオーストラリアでこれからも私は私なりの看護を極めて行きたいと思います!!

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