男性看護師 海外ブログと題して、看護留学のあれこれを語ってみた!

お名前鳥取 亮仁 さん
留学期間2013年〜滞在都市シドニー/オーストラリア

はじめまして、鳥取亮仁と申します。オーストラリアで現在取得を目指して奮闘中の男性看護師です。今日からこの場をお借りして、オーストラリアの大学生活を含め、オーストラリアでの資格取得までブログを書くことになりました。海外の大学進学を考えている方や看護インターシップへの参加を少しでも考えている方の力になれればと思います。

1 【第1弾】男性看護師が海外大学進学にいたった経緯

まずは第一弾ということで、海外大学進学にいたった経緯を簡単に紹介させていただきます。海外での資格取得、大学進学に興味のある方ははぜひご一読ください!

留学するまでの経緯

もともと、異文化に興味があり、いろいろな国に一人旅したり、海外のドラマなどをよくみたりしていました。また、人種のるつぼのオーストラリアでは、異文化を持つそれぞれの患者さんにどのように看護を展開しているのか、すごく興味をもっていました。日本では、日本人の患者さんへの経験しかなかったので。そんなとき、ワールドアベニューのアシスタントナース有給インターシップを知り、自分にピッタリだと思い参加しました。2013年にワールドアベニューの留学プログラムを制度を利用し、渡豪しました。

海外大学進学を考えはじめた経緯

海外旅行に慣れてはいましたが、留学前の英語力は旅行英会話程度だったと思います。渡豪してからは、ワールドアベニューに紹介していただいた語学学校と専門学校に合計4ヵ月、そのあと6ヵ月間アシスタントナースとして働きました。このアシスタントナース有給インターンシップで予想以上に稼ぐことができ、経済的に大学進学も可能になったため、現実的に大学進学を考えはじめました。当初は、日本で働くか、オーストラリアで大学に行くか、本当に悩みました。なぜなら、こちらで働いてから、日本人としての誇りやアイデンティティーが一層強まって、「日本人として日本の看護に貢献したいな」という気持ちが強くなったからです。しかし、当初オーストラリアに来る動機にもなった初心である「異文化の中での看護を学びたい」という気持ちを思い出し、その結果「一度だけの人生悔いなく進もう」と思うに至り、オーストラリアの大学に挑戦することにしました。※「きっと海外大学での経験は今後日本に帰った時も役に立つ」など、自分を後押しする気持ちもありました。

海外大学進学を決意した後

その後、ワールドアベニューのスタッフのみなさんと入念に大学進学までの計画や手続きを一緒に行っていきました。この時点で、オーストラリア滞在歴は約1年になっていましたが、まだまだ海外大学に入学できるほどの英語力は身についていなかったため、語学学校に入学し、6カ月間の大学進学準備コースを受講しました。語学学校での生活は、本当に大変でした。今まで使っていた、一般英語ではなく、アカデミックな英語を習得しなければならなかったからです。エッセイの書き方、プレゼンテーションの仕方、ディベート(討論)の仕方など、勉強内容は、一言に「英語の勉強」といっても、多岐にわたり、途中で何度もくじけそうになりながらも、何とか最終試験で、大学進学に必要な英語力を習得することができました。語学学校の先生やワールドアベニューのスタッフの方々には、本当に心配をかけ、またたくさん相談にものっていただき、本当に感謝しています。

最後に

今はオーストラリアでの資格取得のため、シドニーから電車で2時間ほど南にあるウーロンゴン大学で学生をしています。2015年3月に編入し、現在最終学年にいて、2016年末に卒業予定です。次回からは大学の生活のことや、オーストラリアの事情などを皆さんに発信できたらなと考えています。特に、自分は男性なので、オーストラリアの男性看護師事情についても紹介できたらなと考えています。

2 【第2弾】オーストラリアの男性看護師は世界の中でも多い!!

次に、気になるオーストラリアの男性看護師の現状について少し触れたいと思います。

実際に現地で感じた日本人の男性看護師率

日本人看護師でオーストラリアでの資格取得に挑戦する方の割合は圧倒的に女性の方が多く男性は、まだまだ少ないのが現状です。自分もオーストラリアに来て日本人の男性の看護師さんに実際に病院で会ったのは一人だけです。なので、まだまだまれな存在です。

統計から見るオーストラリア人の男性看護師率


一方でオーストラリアでの男性率はというと、Australian Institute of Health and Welfare (2014) の調査によると、オーストラリアでは256.794人でそのうち男性は11.7%となっています。日本は5%なので日本に比べると約2倍ですね。実際、オーストラリアの大学のクラスでも日本にいた時より、男性と接する機会が多いです。興味があったので、他の国も調べてみました。すると、アメリカは10%、イタリアは30%、スペイン19%、オランダ24% でした。アメリカのドラマではよく男性看護師が登場していたので、アメリカではもっと多いと思っていたのですが、まだまだ男性が少ないことに驚きました。ヨーロッパは、ほとんどが20%を占めており、ヨーロッパでは男性看護師に抵抗が少ないようです。

オーストラリアには男性助産師がいるッ!!


オーストラリアに来て驚いたのは、大学や病院に男性の助産師さんがいることです。日本では、男性が助産師になることは、難しいですが、オーストラリアでは希望して、必要なコースを修了すると助産師として働くことができます。アメリカでも同じように男性が助産師として働いているようです。今後は、男性助産師も世界で増えていくかもしれませんね。

まとめ


オーストラリアは男性が多く、大学ではみんな仲良くやっています。特に男性看護師はフレンドリーで日本人に対してすごく優しい印象を受けます。男性は少ない分、仲間意識が芽生え仲良くなりやすいです。後々、ブログで紹介していこうと思いますが、自分の英語力は、ほんとうにまだまだで、大学では四苦八苦しています。そんなとき、やはり助けの手を差し伸べてくれるのが友達です。日本人の男性はまだ少ないので、ぜひ一人でも多く仲間が増えたらうれしいです。

3 【第3弾】メディカルセンターで実習をしてみた。


2年間のオーストラリア 大学生活の中で、実習は19週間ほど行い、実習場所も多岐にわたりました。自分が行った実習施設は、大規模な総合病院、老人ホーム、精神病院、メディカルセンター等でした。実習の場所の決定に関しては、住んでる場所や学生の希望、履修科目の内容が考慮されて決められました。過去のブログで、僕の先輩である同じくウーロンゴン大学を卒業した方が一般病棟での基本的な実習について述べているので、今回はちょっとめずらしいメディカルセンターの実習について書きたいと思います。

メディカルセンターとは?


ワールドアベニューの過去の記事でも紹介されていますが、オーストラリアでは、病気になった場合、まずメディカルセンターにいき総合診療科の医師=GP(a general practitioner))の診察を受ける必要があります。
日本では、風邪を引いた場合は内科を受診したり、耳の病気にかかったら耳鼻科に行ったりと、自分で病院の科を選びますが、オーストラリアでは緊急時以外は、必ず初めに総合診療科の先生にみてもらわなければなりません。必要であればそこから、refer といって専門医に紹介されます。

↓総合診療科の医師=GP(a general practitioner)

↓いきなり総合病院にいけない??(ワールドアベニューの過去の記事)
「採血するために資格取っちゃいました。」

そんなメディカルセンターで実習をしてみました。日本でいう大型のクリニック施設。自分がいったところは、約9人のドクターが日勤帯に常駐していました。予約もいっぱいで、忙しい雰囲気でした。主な業務は、傷の処置、ドクターの処置介助、ケアプラン作成、トリアージ。オーストラリアならではの患者さんは、動物に噛まれた患者さんが多かったことです。家畜、また蛇など。日本ではそのような患者さんを受け持ったことがなかった自分には新鮮で、勉強になりました。

実習一日目


オーストラリアのメディカルセンターでの実習は初めてであったため、初日は大変緊張しました。しかし、オーストラリアの実習はとにかく自由。堅苦しい雰囲気はなく、初日から医療従事者に笑顔で‘How are you ? Do not worry, just relax !!’この言葉に自分も緊張も一気に吹き飛びました。

さてさて、細かい施設のオリエンテーションをしてもらった後、指導者から「アキは最終学年なんだね、じゃあ私と同じ業務を全部やってもらうからね。よろしくー!」と……。

僕:「まじかあ!!」

そうなんです。
オーストラリアの実習では、三年生の最終学年になると、基本学生は先輩の指導のもと普通に業務(筋肉注射、点滴管理、ドクターへの報告、カルテへの記録など)をこなします。日本の実習のような行動計画などは一切なく、受け持ち患者が普通に割り振られます。一般病棟では、4人や6人を受け持つこともあります。日本でいうと、入職後の新人研修みたいな感じです。
当然、「無理無理!!英語もろくにできない自分にまかせるなんて……」という心中ではありましたが、しかし、これはやるしかないと腹をくくりました。

なんとか指導者に付いて頑張っていた2日目

外来に、以前、癌の精査のため検体をとって採取部分を縫った患者さんが抜糸目的で来院。
ドクター:「じゃあ、アキ!抜糸しておいて。」
僕:「ええっ!!マジですか?」
と、思わず聞き返してしまった自分。しかし、もちろんというドクターと指導者の顔に本気であると気づく。
日本の看護師は抜糸を基本しないため、経験がないことを伝え、指導を仰ぐと、医師から「おっけー、簡単だから教えるよ、just relax !! 」と一言。「なんて優しいんだ!」と感動しました。

使った物品は、以下の物を用いて行った。

皮膚を傷つけないよう、慎重にピンセットで糸をつまみ、糸を刃でカット。糸が皮膚にめり込んでいたため、カットするのにかなり時間がかかり、患者さんに申し訳ない気持ちになりました。この患者さんの場合は5本の糸を抜きました。無事に終わると、指導者から「よくやった!次からは問題ないね!」と。オーストラリア人はとにかく褒める、学生が何かできると小さなことでも日本人からすると大げさに感じるくらいほめてくれます。

とにかくフレンドリーで学生の自信やモチベーションをあげるのがオーストラリアでの指導の特徴だと思います。

専門看護師の存在


メディカルセンターには、日本でいう専門看護師も常駐していました。彼らは専門のコースや大学院で学んだスペシャリスト。糖尿病患者の専門看護師に一日つき、コンサルテーションに参加させてもらいました。専門看護師は、各自に診察室が与えられ、患者さんに食生活や体重管理など指導を行っていました。コンサルテーション時間は約20分ずつで、一日に8-10人程度の予約患者さんに対応していました。またコンサルテーション後は、かならずドクターもコンサルテーションの部屋に呼び、患者さんの自己管理状況や今後の治療方針などを一緒に話しあいました。オーストラリアでは、糖尿病患者の数は多く、深刻な健康問題となっています。そんな中、患者の自己管理や状態を専門のスタッフが、時間をかけ一人一人の患者にあった指導を提供。指導の内容は、栄養面から運動など日常生活全般、オーストラリア人ナースにより冗談を交えた、フレンドリーな雰囲気の中、指導は行われ患者さんも楽しみながら参加していました。

地域で継続して患者さんに常に寄り添い介入しいく看護師の役割は、患者さんの健康を促進する上で大変重要であると感じました。また、専門看護師にはコンサルテーション用の部屋がドクターと同様に与えられており、オーストラリアでは専門看護師の役割と地位がしっかり確立されている印象をうけました。

↓コンサルテーション用の部屋

4 【第4弾】 海外の大学ってどんなところ?? 自分の通っていたウーロンゴン大学を紹介します。


こんにちは鳥取です。今回は自分が通っていたウーロンゴン大学(「University of Wollongong」。略名「UOW」)を紹介させていただきます。

ウーロンゴン大学の立地


シドニーから電車で南に2時間ほどのところに位置し、大学の周りは緑あふれる山々ときれいな海に面したところです。電車で二時間なので、平日は大学で過ごし、土日はシドニーに遊びに行くことも可能です。シドニーに住んで、大学に電車で通っている学生もたくさんいます。自然は、大好きだけど、時々はシドニーに遊びに行きたい人にはもってこいの場所です。大学は大学の名前そのものの「ウーロンゴン」の町にあります。シドニーから2時間ほど離れているので、田舎と思う人もいますが、ウーロンゴンの町はけっこう大きくて、様々なバーやレストラン・ショッピングセンターなどがあるので、十分この町だけで暮らして行けます。

↓ウーロンゴンの詳細はこちら(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%B3

ウーロンゴン大学の施設 その1 バー


大学内には、さまざまな施設がありますが、まずは、大学のバーを紹介しようと思います。大学内には大きなバーがあり、その名も、「Uni Bar」です。
※「大学」を英語で言うと「University」とするのはご存知だと思いますが、オーストラリアではこれを略して「Uni」と呼びます。つまり安易ですが、「Uni Bar」で「大学のバー」という意味になります(笑)。


アルコールはもちろん、ステージがあり、週末の夜などは、クラブと化します。


オーストラリア人の学生は、基本、お酒を飲むことが大好きなので、学校が終わった日の夜、特に金曜日の夜は、大学のバーは日本人にからするとびっくりするぐらい盛り上がっています。


自分はお酒に対してあまり強くなく、飲めないので、バーにはあまり行きませんが、たまにご飯を食べに友達と授業の合間にいくことがあります。


そうなんです。バーはお酒を飲むだけの場ではなく、簡単な食事も楽しめる場なのです!そして、オーストラリアのバーといえばチップスですよね!!この画像はある日のランチに食べたものですが、チップスとチキンのセットで6ドル、ビールが4ドルぐらいです。これはオーストラリアの街中にあるバーと比べるとけっこう安いです!!
※ちなみに、安さとお手軽さのせいか、お酒を飲んで、授業にでる強者のオーストラリア人学生もいたりします(苦笑)。

ウーロンゴン大学の施設 その2 芝生スペース


海外の大学と言えば、やっぱり芝生で勉強ですよね。海外の大学に来ている感200%ですね。


さらに、構内の芝生スペースでは、時々映画の上映イベントが行われることがあります。だいたい無料なので、みんな授業が終わったら、友達を誘い、映画鑑賞します。

ウーロンゴン大学の学生


オーストラリア人の学生は、バーでラグビーの試合をみたり、ビリヤードをしたり、週末の夜はクラブに行ったり、とにかく自分たちの生活を楽しむスタンスが基本です。


自分は授業が終わると課題をするために、図書館や家に直行することが多いのですが、オーストラリア人の友達に、「アキ(自分の名前です。)はもっと楽しまないとだめだよ。気楽に行こうぜ!!(Take it easy!!)」とよく言われていました、しかし、英語にハンデがある自分にとっては、「課題をやらねば、終わらない、遊んでいる暇なんてない……」という心の叫びで胸がいっぱいでした(泣)。


ただ、実際に息抜きとして遊んでみたりすると、意外にも勉強に集中できたりすることがわかったので、彼ら現地の学生から「生活を楽しむ」の利点を教えられた気がします。「郷に入っては郷に従え」ですね(笑)。

まとめ


開放的な芝生スペースをはじめ、大学内にバーや映画館などのリクリエーション施設が充実しているのは、この国の国民性の現れだと思います。この点に関しては、海外の大学にきて良かったと思いますね。

簡単に大学の紹介をさせていただきましたが、「百聞は一見にしかず」ということで、大学のプロモーションビデオをつけたので、参考にしてみてください。自分みたいに海外の大学に行きたくなるかもですね!!そして、ぜひ来てみてください!!!!

↓ウーロンゴン大学紹介動画